暗黒星雲

trenton.exblog.jp
ブログトップ
2017年 11月 20日

「塔」十一月号 花山多佳子選歌欄 十首選

「塔」十一月号 花山多佳子選歌欄 十首選

仁王立ちせる先生の赤き耳に小さき兎のピアスが光る  川田果弧

またひとり登場人物あらわれて騙し絵のような身の上話  吉田 典

討ち死にのごとくにも見ゆたふれたる墓石のこりて二度めの盆来る  森永絹子

注ぎおきし湯呑みのお茶に浮かびいる微小な虫を楊枝で掬う  井上孝治

ホームまで運んでくれた旅行かばん抱えて夜の電車で泣いた  逢坂みずき

濡れ縁という語のどこかさびしくて世界のふちのような静けさ  小松 岬

期待される色よい返事ができぬゆえ静かにバターナイフを反(かえ)す  福西直美

小鳥かと眼こらせば漆黑の大き揚羽が陽を負いてくる  今井眞知子

弟をおんぶしてゐた背がぬくい香供へつつふと振りかへる  進藤サダ子

急激に深くなりたる海底が言うあんたの来るところじゃないよと  太田愛葉


(新井蜜)
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-20 16:26 | 十首選 | Comments(0)
2017年 11月 19日

「塔」十一月号 池本一郎選歌欄 十首選

「塔」十一月号 池本一郎選歌欄 十首選

冷えきりしからだを岩にはりつけるぬわつと温いとかげとなるまで  山尾春美

友の言うきーひん、けーへん、こーへんの関西活用形は楽しも  寺田裕子

津波あと裏の竹やぶふくらみぬ月あかり冴えふくろう鳴きぬ  及川綾子

リモコンを吾に向けつつボタン押す夫よ消したきものは何なる  岡村圭子

あんなにも大きかつたのか白鷺の青田にゆつたり羽を広げぬ  小畑志津子

五月闇籠る木下の山梔子に花白じらと匂ひゐるなり  内藤久仁茂

カープ愛する胸の奥処に燃ゆる火は八月六日の残り火と知れ  西村美智子

仕事して生き越し妹「社会性のない姉さん」と時には言いて  村井玲子

ノーマンズランドを渡る昼の月 引っ越しは長い旅のつづきだ  小川ちとせ

水飲みに来てゐる蜘蛛か何もないシンクに一つ身構へてをり  向井ゆき子

(新井蜜)
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-19 22:27 | 十首選 | Comments(0)
2017年 11月 12日

今日は画面中央部にうっすらと見える。

今日は画面中央部にうっすらと見える。
d0021306_15505450.jpg


[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-12 15:48 | Comments(0)
2017年 11月 07日

今日は薄曇りで遠くが良く見えない

d0021306_11415142.jpg



新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-07 11:41 | Comments(0)
2017年 11月 02日

そのまんまバックパックの我をして生まれしものは思ひ当たつた

d0021306_20144810.jpg

そのまんまバックパックの我をして生まれしものは思ひ当たつた




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-02 20:14 | Comments(0)
2017年 11月 01日

老朽のおきざりにしたその母の小指の先がトロッコに乗り

d0021306_2225431.jpg


老朽のおきざりにしたその母の小指の先がトロッコに乗り



新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-01 22:25 | Comments(0)
2017年 11月 01日

この山の名前を教えて下さい

一つ前の記事に文章がうまく書き込めませんでした。

京都府の最南端の木津川市から北の方向を写した写真です。
霞んでいて見にくいのですが、写真の中央の遠くに山頂部分が凹んでいるように見える山があります。二つの山が重なってこのように見えるのかも知れません。
この山の名前を知りたいのですが、ご存知でしたら教えて下さい。お願いします。

新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-01 14:32 | Comments(4)
2017年 11月 01日

この山の名前を教えて下さい



d0021306_14231736.jpg



新井蜜


[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-01 14:23 | Comments(0)
2017年 11月 01日

弾頭は放物線を描きつつえうやく人が夜を駆けゆき

d0021306_9535614.jpg

弾頭は放物線を描きつつえうやく人が夜を駆けゆき



新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-11-01 09:53 | Comments(0)
2017年 10月 31日

知つてゐるしめやかなれど竹槍をすこしの水を舌根【ぜつこん】麻痺し

d0021306_7425619.jpg

知つてゐるしめやかなれど竹槍をすこしの水を舌根【ぜつこん】麻痺し




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-31 07:42 | Comments(0)
2017年 10月 30日

虫の音の繁き北窓ぬけだして襤褸な月のひかりを浴びむ

d0021306_15581836.jpg

虫の音の繁き北窓ぬけだして襤褸な月のひかりを浴びむ




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-30 15:58 | Comments(0)
2017年 10月 29日

大木がうかがふことだその者をやりきれなくてしやがみこませる

d0021306_13524876.jpg

大木がうかがふことだその者をやりきれなくてしやがみこませる




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-29 13:52 | Comments(0)
2017年 10月 28日

八階の駱駝を取りて足取られ裏切られたり 袖がすこおし

d0021306_1026849.jpg

八階の駱駝を取りて足取られ裏切られたり 袖がすこおし




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-28 10:26 | Comments(0)
2017年 10月 26日

若きらも呼びとめてゐた 洗ひたて幻に塗布清くあるべし

d0021306_225275.jpg

若きらも呼びとめてゐた 洗ひたて幻に塗布清くあるべし




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-26 22:05 | Comments(0)
2017年 10月 26日

編集の縒り合はされた竹槍をぬめる入江で出しちやおうかな

d0021306_9441366.jpg

編集の縒り合はされた竹槍をぬめる入江で出しちやおうかな




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-26 09:44 | Comments(0)
2017年 10月 25日

ゐるだけだ 広い眉間が野に近く瓦礫に埋もれ優れたる者

d0021306_16255361.jpg

ゐるだけだ 広い眉間が野に近く瓦礫に埋もれ優れたる者




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-25 16:25 | Comments(0)
2017年 10月 24日

すでに越えいのちの影が消えるとき視たまひけるに合ふものは無し

d0021306_2243029.jpg

すでに越えいのちの影が消えるとき視たまひけるに合ふものは無し




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-24 22:43 | Comments(0)
2017年 10月 24日

若きらも鳶が飛んでありたいとしやがみこませる湿気つたそこに

d0021306_10464793.jpg

若きらも鳶が飛んでありたいとしやがみこませる湿気つたそこに




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-24 10:46 | Comments(0)
2017年 10月 23日

控へ目にそのさびしさを五十ぺん神の舌からたぶれ踊りを

d0021306_21524112.jpg

控へ目にそのさびしさを五十ぺん神の舌からたぶれ踊りを




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-23 21:52 | Comments(0)
2017年 10月 23日

敗戦を力を矯めて蟇蛙、山の生活飢饉のために

d0021306_1024099.jpg

敗戦を力を矯めて蟇蛙、山の生活飢饉のために




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-23 10:24 | Comments(0)
2017年 10月 22日

近づいて無からも剥がれつきささる腰をつかつてすましめたまへ

d0021306_8565326.jpg

近づいて無からも剥がれつきささる腰をつかつてすましめたまへ




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-22 08:56 | Comments(0)
2017年 10月 21日

突然に降り出した雨真つ黒なかうもり傘をキャロルはひらく

d0021306_17521058.jpg

突然に降り出した雨真つ黒なかうもり傘をキャロルはひらく




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-21 17:52 | Comments(0)
2017年 10月 20日

おおキャロルあなたは僕の青春をどこに隠した出奔のまへ

d0021306_16474569.jpg

おおキャロルあなたは僕の青春をどこに隠した出奔のまへ




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-20 16:47 | Comments(0)
2017年 10月 18日

乏しきを 底で泣く虫足早に河原へむかふ無機音として

d0021306_18575797.jpg

乏しきを 底で泣く虫足早に河原へむかふ無機音として




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-18 18:57 | Comments(0)
2017年 10月 17日

砂漠にてくらく沈みて待ちたれば蠍が赤き口開けにけり

d0021306_10224914.jpg

砂漠にてくらく沈みて待ちたれば蠍が赤き口開けにけり




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-17 10:22 | Comments(0)
2017年 10月 16日

「塔」十月号 月集 十首選

「塔」十月号 月集 十首選

次々と口より釘をたぐり出す大工を怖れき幼き日には  三井 修

濁流にながされてのち横たわる冷蔵庫あり半ば埋もれて  松村正直

湯を吐くをやめて久しき獅子の口湯槽の奥に白く乾けり  黒住嘉輝

離合待つ口羽の駅におりたちて水張田みたす夕映えに遇う  上條節子

わづか残るページを閉ぢて制服の少女はひらりと降りてゆきたり  上杉和子

「ダイジョウブ」とはかまふなのこと十七歳白い帽子を目深く被り  酒井久美子

髪分けてうさぎの耳にくくる子は跳ねて半日野に遊びおり  土屋千鶴

口が勝手に暴言を吐き遅れ遅れに脳は吐かれた言葉におどろく  なみの亜子

鶏のこえの聞こえていたる夢われは屋久島にいるごとく覚む  藤江嘉子

テラスまで蔦の繁りし喫茶店閉ぢたるままに夏はめぐれり  万造寺ようこ


(新井蜜)
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-16 22:06 | 十首選 | Comments(0)
2017年 10月 15日

贈られし酸い葡萄酒を飲み干せり呪詛のごとくに地の炎えるなか

d0021306_22464759.jpg


贈られし酸い葡萄酒を飲み干せり呪詛のごとくに地の炎えるなか



新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-15 22:46 | Comments(0)
2017年 10月 15日

「塔」十月号 花山多佳子選歌欄 十首選

「塔」十月号 花山多佳子選歌欄 十首選


わが町のガソリンスタンド閉鎖して日の暮れ際になれば淋しき  竹之内重信


いちまいのむきだしの空あらわれぬ山けずられし風景のなかに  永田聖子


せがまれて孫のルージュを探したるピンク淡きを発つ前に買ふ  金井一夫


一室に体を残してどこへ行かうふはふはふはと眠たくなりぬ  國森久美子


磨かれた鏡のむかう逆しまな時を刻めり髪切りてゆく  黒瀬圭子


いつの日も蝙蝠傘差ししやぼん玉吹く子のをりぬ宇治駅の辺に  杉本潤子


あの夏のいくつもありてあの夏と言ふのみにして母と話せり  𠮷澤ゆう子


美しき容姿の家裁事務官に書面の隅の不備をつつかる  吉田健一


高速道路の下くぐるとき聞こえたりどこかで赤子の生まれた声が  北神照美


ほうたるをつけたる狼いざなはばついていきたし裸足になつて  竹下文子



(新井蜜)



[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-15 14:43 | 十首選 | Comments(0)
2017年 10月 13日

蠍座を探して砂漠あゆみゆくはるかな原子炉の火に照らされ

d0021306_22564789.jpg

蠍座を探して砂漠あゆみゆくはるかな原子炉の火に照らされ




新井蜜
[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-13 22:56 | Comments(0)
2017年 10月 13日

「塔」十月号 栗木京子選歌欄 十首選

「塔」十月号 栗木京子選歌欄 十首選


アドバイスひとつも実行せぬ友の悩みにほんのりうなずいている  山下裕美


ヲノゴロ島イザナギイザナミヒルコなどと渦はふつふつ呟いてをり  金治幸子


広びろと空の構図のカレンダー澄みたる空気に満たされている  小島美智子


これの世に生れきて十年いつよりか祈りを知りて掌を合はせゐる  首藤よしえ


雨過ぎてあなたのもどりてゆく場所にまた雨が降りわたしはゐない  澄田広枝


西山の上にくっきり浮く寝釈迦その彩雲に向きて立ちおり  西垣田鶴子


豆源のおとぼけ豆をかじりつつ国会中継テレビに観おり  濵﨑藍子


鋪道には春落ち葉夏落ち葉して時間の溜りゆくを見ており  三浦こうこ


家内が世界のすべてといふやうにインドア生活きはめてをりぬ  西村玲美


見えぬものは見えないままにそのひとの海の暗さを告げられている  大森静佳



(新井蜜)


[PR]

# by trentonrowley | 2017-10-13 21:52 | 十首選 | Comments(0)