暗黒星雲

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2017年 05月 14日

「塔」四月号 小林幸子選歌欄 十首選

都会的抒情はたとえば屋上であらたな階段に出会うこと  石松 佳

ジャカランダ伸びすぎたるを剪らねばと見上げる背中まだ逞しき  沼 寛子

言ひよどむ仕草のうちにわれはいま他人であると気づかされたり  濱松哲朗

職業に主婦と書くこと折々に考えながら自転車を漕ぐ  石井暁子

「親父はもういないんだよ」繰りかえし弟は言う繊月の晩  奥山ひろ美

あれからはいろんなことがあったんだお墓の中は静かだと思う  長田尚子

始めあれば何時か終りが来るものぞ嵌め殺しの窓に灯り点かざり  鈴木美代子

母さんのアイシャドーのさみどりが子どもの頃好きだつたと告げらる  俵田ミツル

さみしいと会ひたる後のさみしさをはひ上がるやうに坂道登る  澤﨑光子

菠薐草畑の前のバス通り渡らんとして虹に会ひたり  大田眞澄



🌈(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-05-14 11:32


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