暗黒星雲

trenton.exblog.jp
ブログトップ
2017年 05月 16日

「塔」五月号 真中朋久選歌欄 十首選

気がつけば鬼はうしろに立っていた終わってほしくないかくれんぼ  紫野 春

わたしらは空からおりてきたのだと下栗の里は斜面を耕す  高原さやか

各々に伝え聞きたる叔父の戦死かたみに隠しいたりと祖父母は  三宅桂子

つぶやくがごとくに女神官の奏上終へて梅の香もどる  加藤 宙

水底に膝を抱へて潜みゐるをみな子のごと繊月かかる  安永 明

声小さく形ばかりの鬼やらいやめる理由の持ちあわせなく  有澤あい

じいちゃんのバイクの後ろ背中ごし時間(とき)が魔法のように流れる  五宝久充

次々と賞味期限の切れてゆき明るしひとり居の冷蔵庫  谷口美生

後手に腰まげ歩く君のあと真似して四才二才の続く  松竹洋子

毎号の「塔」の厚さの中ほどのあなたの歌を初めに探す  村上 明


(新井蜜)
[PR]

by trentonrowley | 2017-05-16 22:07 | 十首選 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード


<< 「塔」五月号 永田和宏選歌欄 十首選      真夜中にみづ飲みにいくのはきら... >>