暗黒星雲

trenton.exblog.jp
ブログトップ
2017年 06月 17日

「塔」六月号 池本一郎選歌欄 十首選

ともに読みし『月のぼうや』のほそながき表紙の青から子は語り出す  松原あけみ

雪の嵩カサッコソカサとくづるるをあのひとの骨揚げの音に似る  伊藤芙沙子

金柑の実をぽとぽとと落としつつ小鳥らよぎる母ゐぬ庭を  越智ひとみ

大根とわかめとトウフのみそ汁を一週間続けても怒る家族のおらず  北野中子

浮かびくる言葉はするりと抜けてゆく玉留め忘れし縫ひ糸のごと  木戸洋子

何もかも奪われていてもうなにも怖がる必要なんてないのに  鈴木晴香

化粧して恥ずかしくなり話せなくなってしまった男友達  濱本 凜

スーパーで二円をゲットするためにマイバック持ち気使う日々よ  前原美登里

指先まできた絶望は行き先を求めて文字になるのだろうか  紫野 春

檀那寺の跡取り娘は得度してますます笑はぬひととなりたり  河野純子


(新井蜜)
[PR]

by trentonrowley | 2017-06-17 10:01 | 十首選 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード


<< 「塔」六月号 花山多佳子選歌欄...      流れ来る時間のあひだたましひは... >>