2017年 06月 19日
はつなつの手紙の余白はわたし以外だれもゐざりし砂浜に似る 小田桐 夕 鴨川の光の速度やわらかに人に手櫛をされる疚しさ 鈴木四季 知らぬ間に針の上がりしレコードのやうにあなたの笑みの消えをり 加藤 宙 目標を十個探してくださいと担当医師は淡々と告ぐ 北山順子 わが耕地に鉄道引くゆめ持ちしことえんぴつナメナメ短歌を詠みぬ 武井 貢 遠つ世の面輪に会へる雛まつりこの日に添へる桃の花なる 道満光子 峡の村の道を曲がれば夏みかんとびこみてくる温き陽の色 中橋睦美 君といて突き通す嘘ひとつあり白木蓮はゆつくり開く 富田小夜子 八時十五分発普通高槻行毎朝乗つてるうちに三月 岡本伸香 白足袋の老人背(せな)をぴんとして冬の菊坂くだりてきたり 唐木よし子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-06-19 20:39
| 十首選
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