暗黒星雲

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2017年 06月 21日

「塔」六月号 若葉集 前田康子選歌欄 十首選

福寿草写真撮らむとかがみ込みふいに合掌したくなりけり  水岩 瞳

骨壺の柄をめぐつて言ひ合ひす今年はゆずも摘めずに終はる  大江いくの

あみだなに寝そべりあみのすきまからとろりと落ちてしまう夕ぐれ  坂本清隆

倉吉より列車を三度乗り継いで横浜元町の画廊に着きぬ  佐々木美由喜

くらくらと一字の助詞につまづきて時計を見れば夕餉の迫る  庄野美千代

ドライヤー焦げた匂いのする夜更け愛も炭素に変わるよいつか  中井スピカ

言い訳に誰も振り向くことなくてキャベツの芯の甘みがつらい  深山 静

匂いとは微粒子なのだと本で知る だんだん好きになる微粒子よ  うにがわえりも

海釣りから戻りし夫の車庫入れの静かな音に釣れずと察す  白波瀬弘子

鉄橋のむかうに見ゆる岸辺には風向きのまま枯れる葦原  岡部かずみ


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-06-21 21:56 | 十首選 | Comments(0)
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