暗黒星雲

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2017年 06月 22日

「塔」六月号 永田和宏選歌欄 十首選

罅があれば割ってしまうのがあなただと若き日の友の言葉が浮かぶ  𠮷川敬子

春光の若戸大橋わたるとき「死の海でした」と不意に言ひたり  伊東 文

上がつたよクラゲクラスに濡れたまま水泳パンツで子は駆けてくる  河﨑香南子

ケイタイの着信音がカノンなる看護士われの脈をさがせり  黒沢 梓

つり橋をわたり終へたるそののちの揺れのやうなるゆふぐれ来たり  澄田広枝

頭痛なのかめまいなのか気のせいなのかわからないまま夕暮れとなる  中山悦子

スマホを得たマサイのようにもう君はこの冬狩りに行かなくなったね  橋本恵美

せっかちなヒールの音が背後より迫り来て歩調乱されてゆく  畑 久美子

MRI検査の前に入れ墨はあるかと問はれ怒り出す母  吉田健一

向き合ひてパチンコ店建つ駅頭にわたしの空が夕焼けてゆく  大河原陽子


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-06-22 23:19 | 十首選 | Comments(0)
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