2017年 07月 12日
自死と言ふ言葉を知りし十二歳さくらの季(とき)を今でも厭ふ 古賀公子 ばらばらになりたる夢の一片を捕えんとして手を延ばしいつ 新井さの 頭を垂れて合掌せし時わが身よりいらぬ力の抜けてゆきたり 澤﨑光子 桜咲き死にたい病にかかりたり卵かけ御飯しても治らず 田巻幸生 何もかも終わりだ という日があれど水面に浮かぶ花びらのごと耐う 沼波明美 長き橋ひとりで渡る夜の間に わたしの姿を見失ひたり 向井和子 「あの時は」の枕詞でそれぞれの夜の深さを分かちあう春 長月 優 五年間ひそかにためしホチキスの針をまひるに捨ててしまいぬ 山名聡美 説明は言い訳として処理されて晴れてがんばらない人となる 紫野 春 密談を交はすかたちに寄り添つて駝鳥不思議なまばたきをせり 有櫛由之 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-07-12 19:37
| 十首選
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