暗黒星雲

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2017年 08月 14日

「塔」八月号 池本一郎選歌欄 十首選

腑に落ちて心決まりぬ都バスから商店街を見てゐるときに  髙野 岬


渋滞に巻き込まれずに行き帰る記紀の世と今の犬上の地を  穂積みづほ


決心はたやすくゆるび見てゐるは水槽の金魚の鰭のひらひら  高橋ひろ子


もう会わぬ人なのだから好きなだけ嫌われたってさみしくないさ  海老茶ちよ子


四世代揃ひて囲む食卓に鯛も鰹も刺身になりて  水越和恵


「おはよう」の響ける園舎の一角にFAX累々着弾時の指示  荒木みのり


三分前の悲しい吾が三分後の悲しい吾にラーメン作る  太田愛葉


じわじわと炊飯器噴き、原子力発電所にも日は暮れゆかむ  千葉優作


まっすぐに工場の煙のぼりゆく春となりゆく空のうつり目  三上糸志


スカートを軽くつかみて一回転ひと去りしのちのバルコニーにて  水野直美



(新井蜜)


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by trentonrowley | 2017-08-14 21:35 | 十首選 | Comments(0)
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