2017年 09月 16日
「塔」九月号 江戸雪選歌欄 十首選 はつなつのまるごと一個買うキャベツふたりでみっしりこの世を暮らす 小川ちとせ 軒下に吊るされている玉ねぎが肩に当たってぐわんとゆらぐ 中本久美子 良寛もフランチェスカもわたくしも鳥と話せる人はさびしい 田巻幸生 君からの手紙をひらくやうにして新たな夏をはじめんとする 木村珊瑚 煙草喫む人なのだなと思ひをりサロンに髪を洗はれながら 髙野 岬 石のごと黙してゐたき日のありてハイビスカスの赤の目に沁む 唐木よし子 枝の影がゆびの形に揺れはじめ走り出したくなる宮の森 紀水章生 恐竜の絵の傘さして雨をゆく夕べ子ぐまが出たといふから 中橋睦美 雨の日は雨の香のするベランダで熱いコーヒーゆつくりと飲む 大田眞澄 いちはやく雨の気配を知らせ来ぬ風のなかなるリラの匂ひは 栗山洋子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-09-16 21:50
| 十首選
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