2017年 09月 17日
「塔」九月号 永田淳選歌欄 十首選 シャンプーを流して拭くとき銀髪はまだ線香のきつく匂えり 吉田 典 雲よりもあわい乳房をもつ人が笑う夜 おれはこころぼそいよ 小松 岬 「右を見て」言われたれども手術台に我は幽体離脱のごとし 大出孝子 窓のない部屋に逃げよと言われても外は新緑猫はみごもる 菊井直子 いつまでも私が覚えておきますからあなたはゆっくり忘れてください 北山順子 就活を共にしてゐる気分なりあのビルの中働いてみたし 河内幸子 刈りたての麦の香をさせマメトラの青年道を譲りくれたり 竹井佐知子 五月の蚊許しておれば生意気な我の右耳刺してぞゆけり 西川照代 箸を持つ爪のピンクに怯みおり九年ぶりにマニキュアをして 太田愛葉 にしぞらに浮かびいる見ゆまひるまの少女のゆびのさきに見し月 中田明子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-09-17 21:58
| 十首選
|
アバウト
最新の記事
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 11月 2021年 09月 2021年 06月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 more... ライフログ
検索
その他のジャンル
外部リンク
画像一覧
ブログジャンル
ファン
|
ファン申請 |
||