2017年 09月 19日
「塔」九月号 池本一郎選歌欄 十首選 よく熟れた月を見てゐる硝子戸にをさなの指は熱くありたり 清水弘子 懸垂の練習をする少女ありゆふべのベンチに犬をつないで 立川目陽子 二度人にぶつかりてのち人波にさからい歩むわれと気づきぬ 天野和子 ゆっくりと一枚一枚制服を着るには着たが 座り、目を閉ず 宇梶晶子 誰も誰ももはや何にも言はぬからひつそり皮むき枇杷食べてゐる 筑井悦子 手を延べて捥いで下さい枇杷の木が空の近くに実をつけたから 林 芳子 ミサイルの飛んでゐる空蒼ふかし 鳥になりたい児とながめをり 渡辺美穂子 小綬鶏の幼鳥二羽が径よぎる春は無防備のもの多くあり 首藤よしえ 菊の香に抱かれ棺に眠る母通夜の客らの物食ふ音す 郡山紀男 りすのやうな茶色が庭を走り抜けひめつるそばの花のゆれゐる 工藤博子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-09-19 17:25
| 十首選
|
アバウト
最新の記事
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 11月 2021年 09月 2021年 06月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 more... ライフログ
検索
その他のジャンル
外部リンク
画像一覧
ブログジャンル
ファン
|
ファン申請 |
||