2017年 09月 21日
「塔」九月号 松村正直選歌欄 十首選 ああそれはかなり難題だと思う鈴懸の木の下の耳打ち 芦田美香 肋骨みたいに明るく雲が透けている五月山崎蒸留所の上 小川和恵 父母(ちちはは)が死にて消えゆくこの家にビニール傘がふえ続けゆく 数又みはる ピーナツの片割れさがすテーブルの下にほんのりまだ夕あかり 坂 楓 春楡の咲けば今年も思い出す行方のしれぬ研屋の娘 中澤百合子 赤きつつじに吹く風のみち幼な児の車を押せる男のあとゆく 橋本英憲 ねそべりて猫が足などなめてゐて『柿右衛門前』とふバス停を過ぐ 福井まゆみ 夢にのみ来る犬がゐてどことなく小さすぎるがうしろから抱く 小林真代 河内木綿布屋久兵衛なる男先祖におりて命日知らず 橋本恵美 六月の風はしめりを帯びてゐてはたりと落ちしものの来し方 澄田広枝 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-09-21 20:51
| 十首選
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