暗黒星雲

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2017年 10月 10日

「塔」十月号 江戸雪選歌欄 十首選

「塔」十月号 江戸雪選歌欄 十首選

まず頰にふれくるぬるき雨なればしばらく傘をささずにゆけり  中田明子

白くうすく日に焼けし肌剥けはじむ海辺の町の記憶もともに  加茂直樹

膝を折りあじさいの陰に泣く母を映画を見るように見ていき  相馬好子

かげふかき鎮守の森に遊んでた子どもはみんな歌を歌つた  穂積みづほ

保証期間終ふるころ生きてゐぬだらう言へば笑へり若き売り子は  大谷睦雄

タトゥー彫る女がチラッと見える窓 渋谷神山町夕ぐれの路地  古賀公子

背をかがめひたひた歩くひとの在りわれともおもひあとを従きゆく  児嶋きよみ

ダークマターの吐息のごとしうすやみに耳を拡ぐる聴音検査  東 勝臣

をばさんの猫車いつぱいの豌豆は腐るだらうねと通夜の帰りに  河野純子

落としどころじゃないか、という声 聞こえないふりしてナイフで甘夏を剥く  佐藤涼子



(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-10-10 17:11 | 十首選 | Comments(0)
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