暗黒星雲

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2017年 10月 15日

「塔」十月号 花山多佳子選歌欄 十首選

「塔」十月号 花山多佳子選歌欄 十首選


わが町のガソリンスタンド閉鎖して日の暮れ際になれば淋しき  竹之内重信


いちまいのむきだしの空あらわれぬ山けずられし風景のなかに  永田聖子


せがまれて孫のルージュを探したるピンク淡きを発つ前に買ふ  金井一夫


一室に体を残してどこへ行かうふはふはふはと眠たくなりぬ  國森久美子


磨かれた鏡のむかう逆しまな時を刻めり髪切りてゆく  黒瀬圭子


いつの日も蝙蝠傘差ししやぼん玉吹く子のをりぬ宇治駅の辺に  杉本潤子


あの夏のいくつもありてあの夏と言ふのみにして母と話せり  𠮷澤ゆう子


美しき容姿の家裁事務官に書面の隅の不備をつつかる  吉田健一


高速道路の下くぐるとき聞こえたりどこかで赤子の生まれた声が  北神照美


ほうたるをつけたる狼いざなはばついていきたし裸足になつて  竹下文子



(新井蜜)



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by trentonrowley | 2017-10-15 14:43 | 十首選 | Comments(0)
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