暗黒星雲

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2008年 03月 31日

2008年3月

群雲から顔出す月に触れようと伸ばす指先凍え悴む
今日からはあなたの杖となり生きる転ばぬ先に呼んで下さい
子供会会長となり清明は夕焼け空に向かって駆ける
消毒の臭いにむせつつ休日の緊急外来処置室で待つ
基礎英語講座を聴いた日々もあるあなたに出会うまでの年月
あられもない寝乱れ姿隠さずに俺を試しているのかきみは
向こう岸をあなたは歩く真っ直ぐにこちらの岸はふりむかないで
引き出しの離婚届の用紙には茶色の染みがついてしまった
低いとこ低いとこへと流れてく歯止めがきかず流されるまま
思い切り蹴飛ばしてやるサッカーのロングシュートを蹴り込むように
鳩小屋を出でて初めて飛び立ちて無限の自由の恐さを知りぬ
湯豆腐の鍋をはさんであすからの暮らしを思い黙して食べる
思いがけぬ人と出会いてやすらぎの集いとなりぬ帰国者の会
頭からかじる目刺しのはらわたのようなきみとの夜の後味
確率は百% まだ先か今すぐなのか分からぬといえ
上海の夜の明かりに照らされるアジアの中の暗いニッポン
みずからを傷つけざるを得ぬきみよ 泉に清き水のあふれよ
冬の日の優しきひかり海の上(え)に彼岸に至る道をつくりぬ
キャンドルのゆれる灯りを反射してダイヤモンドのように光る眼
除かれしひとりとしてのこの思ひ燃え上がらせむ向かひの岸に
長年のドアの重さに耐えかねて歪み始めたこの蝶番
向きあって試してみたが目と目では会話にならず笑いころげる
留守番の夜に寝られず 裏庭でうなる恋猫のごと風吹く
暗闇に我を呼ぶ音 眠れずに壁打つきみはキツツキのごと
ドラマ見つつ居眠りしてるきみの顔にときおり浮かぶ苦悶の表情
若駒ははだれの中に放たれり父母を去ると決意せし朝
傷口に塩をすりこむザリザリと許してなどはもらえないけど
理由などないはずなのにさっきから上見てばかり 春はもうすぐ
次の方どうぞと言われ入ったら真っ暗闇を落下して行く
今日こそは言うつもりですさよならを凍える朝のおはようの後
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by trentonrowley | 2008-03-31 23:17 | Comments(0)
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