暗黒星雲

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2009年 04月 30日

2009年4月

ブラウスの白に隠れてひそやかに息づいている恋するピンク
奈良坂で出会った鹿は振り向いて俺の背中をじっと見ていた
そよ風にゆらりふうわり誘われて春のおすすめ手長えび食う
宇都宮餃子の店にきみと行く五月雨の日の午後の約束
カバン下げ雷鳥に乗り「塔」を読む選挙が近い春の一日に
煙草屋の角を曲がって三軒目お茶屋の二階に一人で暮らす
左手のリズムがずれてフルートの穴を数えるまた初めから
冷凍の秋刀魚を選ぶ春の日のお昼に食べる一品として
消え失せたはずの思いがあふれでる部屋隅の屑かごのふちから
卒業の年に流行った歌を買うCDショップで火をつけられて
アンコール聴かずに帰るパトカーが近づいてきて去っていく道
花みずき白く咲く朝たしかめる恥骨の固さ鼻梁を当てて

手を伸ばし摘んで帰ろう笑う花この教室の片隅に咲く
満開の夜桜のごとこの街に雑踏をなしひしめくものは
新聞を丸めた筒でゲジゲジを追い詰めたたくファの音させて
春雷に撃たれたるごと目をみはりみごもれる子はてのひらを当つ
あかときの遠雷をきき高き背の革張り椅子がぎくとみじろぐ
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by trentonrowley | 2009-04-30 23:37 | Comments(0)
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