暗黒星雲

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カテゴリ:現代詩フォーラム( 4 )


2005年 12月 19日

不安

目覚めると空が真っ赤に燃えていて足踏み出せばグラリと揺れる
帰宅した家は明かりが消えていてドアを開ければ生ぬるい風
何度電話しても繋がらない なぜ 不安ふくらみめまいしてくる
大丈夫だよの言葉が欲しいときいつでもきみは遠いところに
言葉などなくてもいいよただぎゅっと手を握ってて欲しいだけだよ
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by trentonrowley | 2005-12-19 17:18 | 現代詩フォーラム
2005年 12月 19日

遺された歌

空の色雲の形に表れた飛蝗の群れとひび割れた土地

枯れ草を集め火をつけ対岸のあなたに愛ののろしを送る

旱魃は避けねばならぬ覚悟せよ神に差し出す犠牲はお前

お前にはこの馬をやる旅に出よ新しい希望見つけてくるまで

雨乞いの踊りの群れから抜け出した火照った白い肌がまぶしい

夜が更けて帰らぬ君を思うとき世界は徐々に閉じられていく

子宮から未来に向けて旅立った俺にあるのか帰るところは

思うなら生きよ今また日が昇り海には風が吹いているから

サボテンの赤い花咲き流れ星降り注ぐ夜帰還した君

愛の歌そっと世界に流すから未来の君よ受け取ってくれ

豊作を祈り交わる神達と良民達の愛しみの声
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by trentonrowley | 2005-12-19 05:29 | 現代詩フォーラム
2005年 12月 19日

青い海

誕生日 海を見たいという君のTシャツの色 青が好きだよ
スニーカーのかかとを踏むなという君と列車の窓から海を見ている
ジーンズのベルトの上にはみ出した肌にくっきり愛の一文字
ふっくらとふくれた尻を針で突き漏れ出す愛を吸い込んでみた
朝焼けの空を窓から眺めてるむき出しの肩後ろから抱く
お化粧は匂いがきらい素のきみがとても好きだよ生まれたままの
縁側で雨だれの音聞きながらひとり静かに笑う六月 

口笛を吹きつつきみを思ってた 愛のことなど知らなかった頃
雨の日の渡り廊下の真ん中の濡れた所できみと出会った
遠くから見守ることが愛なのだと思っていつでも外野席
まっすぐなこの道ずっと走ったら行き着けるはず君の住む町
きみんちの猫に好かれたからというそんな理由で俺を選ぶな
夢のなか君のくちびるやわらかい のび太みたいにぎこちない俺
光速で無限の彼方に飛ぶきみをタケコプターで追いかける愛
濃紺のセーラー服を脱がそうと解いたリボンに猫がじゃれつく

公園で見てしまったんだ よその猫おまえが抱いて泣いているのを
見下ろした井戸の底には空があり愛を求める顔が見返す
ガタガタとふるえる身体胸に抱き別れの時を考えていた
雨のなか車を停めてだまってた ワイパーの音だけがしていた
サイレンが近づいてくる闇の中 回転灯の青い渦巻き
目覚ましの時計の音が鳴る前に目覚めてしまう旅先の朝
多摩川の河原で拾った黒い石落ち着かないとき握りしめてる
捨てられないはずだったのにこの世ではあり得ないことばかりが起きる
屋上にのぼったことは一度だけ きみがまだいた雨の日のこと 
着る人のいないパジャマをたたんでる生ぬるい風の吹く夕暮れ
洗濯を干したままだと気がついて無人の部屋に電話をかけた
雨の日はきみにかまれた肩口の傷がうずいて寝られなくなる

青い海の青を集めて絵の具にし世界を青く染めてしまおう
羊たち とうもろこしの畑には静かに雨が降ってるんだよ
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by trentonrowley | 2005-12-19 04:25 | 現代詩フォーラム
2005年 12月 19日

肌着

やわらかな朝日の中で
ほのかに白く透き通る
肌着の匂い

これはあの
萩の日の
海辺の宿で食べた貝

はまなすの浜辺に遊ぶ
犬たちを
濡れたからだで追い掛ける
その向こうには
白波が

いつか行くこと
夢見てた
あの国に住む鳥たちが
風に吹かれて運んだ香り
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by trentonrowley | 2005-12-19 04:22 | 現代詩フォーラム