暗黒星雲

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カテゴリ:笹短歌( 131 )


2011年 02月 18日

笹短歌ドットコム <鏡>

幾十の破片となりてそれぞれの宇宙を映す投げた手鏡
捨てられた鏡に映る青空を踏んでしまつただけなのに俺は
みづいろの鏡をひろふ さむいねとはなしかけてもくもつてしまふ
深海に鏡の欠片沈みをり提灯鮟鱇の光、煌めく
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by trentonrowley | 2011-02-18 22:31 | 笹短歌
2011年 01月 07日

幾十の破片となりてそれぞれの宇宙を映す投げた手鏡
暗闇のなかに置かれて漆黒の世界を映す鏡 われらは
捨てられた鏡に映る青空を踏んでしまつただけなのに俺は
みづいろの鏡をひろふ さむいねとはなしかけてもくもつてしまふ
深海に鏡の欠片沈みをり提灯鮟鱇の光、煌めく

鏡、さう僕らの生の痕跡を保存しておくための装置さ
朝な朝な十九の春の痕跡がわれをいざなふ鏡の奥に
朝夕に鏡に映し本を読むねじれた心直さうとして
緋に染まる鏡をふせる 夕焼けの向かうに行きたくならないやうに
あなたからいつかもらつた鏡からいつも聞かれる<死>とは何かと
三面鏡ひらいたままに抱きよせる庭にしんしん雪ふりつもり

薄暗い廊下の端の手洗いの鏡に映る在りし日の父
目の前の鏡に映る家家が遠ざかり行く前へ前へと
鏡台の奥にしまった一通の手紙によって生かされている
寝室の鏡の裏をのぞいたら嫉妬している俺が見ていた
眼鏡かけパンフレットにけちつけて図書館の司書みたいなあなた
金沢の駅の立ち食ひうどん食ひ眼鏡が曇る師走の朝に
島影は水の楼閣取り上げる双眼鏡の波のまにまに
階段の上の部屋では鏡台の前で女が昼寝している
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by trentonrowley | 2011-01-07 21:44 | 笹短歌
2009年 02月 26日

建物

少しだけ丈の短い棺に寝るロンドン塔で首をはねられ

先立ちし者も後追う者たちも集いてホテル・カリフォルニア燃ゆ

白抜きのワールドトレードセンターに突っ込んでいく零戦の群れ

日本語が滅びる音とともに揺れバベルの塔の蜃気楼崩ゆ

赤鬼と成り果てた母さがす子は羅生門にて夜毎笛吹く
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by trentonrowley | 2009-02-26 16:48 | 笹短歌
2009年 01月 05日

笹短歌 店屋・店名

057.gifドトールの外に小雨が降り始め濡れても走るグリコ青年
057.gifローソンの棚が空っぽ雲ひとつない晩秋の空に覆われ
058.gifマクドナルドの百円コーヒー値上げして百二十円 じっと手を見る
058.gifジュンク堂書店の椅子で今日もまたひらめきを待ち一日過ごす
057.gif目出し帽かぶったきみを浜銀のATMの前で待ってる
058.gif時計屋の壁の多数の時計たち微妙にずれて意地を張ってる
058.gifふんわりと熱く弾むは井村屋のあんまんときみの白きちちふさ
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by trentonrowley | 2009-01-05 11:15 | 笹短歌
2008年 11月 23日

笹短歌 アイドル

サーカスのテントの裏で白タイツ手洗いをする山口百恵
忘れもの取りに走れば森昌子膝小僧から赤い血たれる
朝な朝なジュリーの写真に手を合わす卒寿の母の永久の悲しみ
受け口の松田聖子よ真昼間に主婦たちの飲むストレート・ティー
プレスリーの下腹じょじょにふくらんでトトロとなりゆく喪失感は
信長は天守閣より飛び立てりゆるいゆるい世界きらいて
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by trentonrowley | 2008-11-23 22:18 | 笹短歌
2008年 08月 08日

笹短歌「水」

早く来て枝毛姉さん手水場の扉はずっと開けておくから
水たまり飛び越すたびに少しずつこぼれ落ちてく心のかけら
焼けた肌と水着のあとの境界を指でなぞれば夕立の音
鼻水が止まらないので塵紙を丸めて詰める止まれ鼻水
そんなもん飛び込まれても怖いしないくら水かて死ぬでせえへん
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by trentonrowley | 2008-08-08 10:49 | 笹短歌
2008年 05月 24日

日本史上の人物

あおによし西郷どんならさっきから美大の庭でポーズ決めてる
あしびきの足柄山の金太郎飴がひっつき差し歯外れる
銀行の帰りに寄ったドトールの窓辺の席で読む笹公人
ひさかたのネオンが光る 源氏名はロゼ鎌倉の北条政子
さねさし相模の小野にさわらびの燃ゆる春の日頼朝偲ぶ
春の日の海辺のきみは幼くて弟橘と名付けたあの日
海神を鎮めるために身を投げた橘媛のごとくはにかむ
燃ゆる火に触れしこの指くちびるに含み目を閉ず弟橘は
これきりでもう会えないと涙ぐむ妻となるため倭建の
微かなる香りを残し去りゆきぬ弟橘の遥かな記憶
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by trentonrowley | 2008-05-24 20:33 | 笹短歌
2007年 12月 09日

湯・風呂・温泉

ゆっくりと冷めていく風呂出られずに冷え切るまでの時間を計る
湯上がりの肌の湿気に触れたくて炬燵の中で手を差し伸べる
お前ではないと告げられ湯気の中俺かも知れぬと思うかわたれ
塩辛い涙の風呂に身を沈め私のいない世界を思う
打ち寄せる波に向かって立ち上がる露天の風呂に降る雪の中
湯の街に住む母いかにいませりと問われしたびに答ふあたはず
五右衛門の煮られしといふ鉄の風呂我が姫のためミルク満たさん
紅き燈のアムステルダム風呂のない窓辺に立って身体誇示する
真夜中に風呂にひたれば凍てつきし路面に固き靴音聞ゆ
湯の街の神にも母がいるという 母よわたしは神になれない
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by trentonrowley | 2007-12-09 22:31 | 笹短歌
2007年 11月 30日

SF

×ふるさとの夏への扉開けるため鎮守の森に降りる方舟

×三人の少女となって鼬らは漫画立ち読み身をくねらせる

×ブッシュ、安倍、イラク、ミャンマー、子殺しとシナリオBに切り替わる日々

○肛門から口に向かって裏返えり巨大ナマコとなりし信長

×∞>青かった~飛皿に乗り→→ぬばたまの▲THE ENDふたり

○古墳から念力姫が掘り出され書き換えられた歴史教科書

×ヤーチャイカ私はカモメの合言葉聞かれてしまった地球防衛軍

○十七のきみの瞳に吸い取られ離脱したまま戻らない我

×目が覚めてみれば地球は水の星 人魚の群れに見つめられたり

×竹藪に光る猫あり人これを正倉院に秘す奇痴異なり
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by trentonrowley | 2007-11-30 22:51 | 笹短歌
2007年 11月 04日

水の星

目が覚めてみれば地球は水の星 人魚の群れに見つめられたり
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by trentonrowley | 2007-11-04 20:46 | 笹短歌