暗黒星雲

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2006年 11月 30日

2006年11月

ただいまの時間は八時十分で核ミサイルのスイッチ押される

コツコツと距離を保ってついてくるこのハイヒール赤色のはず
コツコツと距離を保ってついてくるハイヒールの色を想像している
雌鹿が小さな尻尾振りながら男性社員を尻目に歩く
自転車の荷台に乗って目をつむれあとへあとへと飛んでいくのだ
のぞみ号5号車2番D席に落ち着いて読む佐佐木幸綱
焼きたてのナンをちぎって食べながら困ったことはないかと聞くきみ
焼きたてのナンをちぎって食べながら困ったことはないかと聞かれた
焼きたてのナンをちぎって食べるきみの下唇のナンの小片
遠い夏母を訪ねて来たきみのみやげの瓜の白い果肉よ
歌を詠むことは含まぬ校庭の隅に埋めた十三の夢
降り始め散歩の途中で引き返す洗濯物が濡れないうちに
妻や子の留守に机で爪を切る窓の外には降りそうな空
くるくると枯れ葉を回すつむじ風 何を伝えにやって来たのだ
まっすぐな飛行機雲が消えぬうち捕まえなくちゃ追いかけてって
瓶詰めのあなたの夢が陽を受けて虹色模様を作る秋の日
抜け殻の温もり残し枯野行くただ一筋の光求めて
ぬばたまの暗黒星雲吹き飛ばすきみの元気を僕に下さい
雨垂れを眺める俺の右耳の奥で消えない昨夜の叫び
幾十の視線集める壇上でわたしはあらぬ方を視ている
のぞみ号13号車8Dに落ち着いて読む佐佐木幸綱
のぞみ号13号車8Dに落ち着いて読む「短歌入門」
予定などないのだけれどまた来ると約束をして今日は再見
瓶詰めのあなたの夢が陽を受けて虹色模様を作る秋の日
ひよどりの番が庭にやってきて字を習ってるわたしを見てた
好きだったロックンロールきみと聴くロックンロール好きだったきみ
稲株に芽吹く緑を窓に見てきみと電車で念珠を買いに
帰任して社員食堂見渡せば見返す顔はみな無表情
ホームから見上げる月は半月でいつも何かが足りないのです
晴れ渡る空にあなたの手があって少女をつまみあげている午後
アメンボの足が凹ます水面のようなあなたの胸の弾力
玄関に並ぶブーツとパンプスが出迎え笑う午前二時半
傾いて西空に輝る半月を狙って放つテポドンの弾
日溜まりのオープンカフェの海亀のスープを飲んで思い出す過去
真昼間のソープオペラのキッチンで光を放つアルミニウムよ
朝帰りするたびきみを思い出す 始発電車で涙ぐんでた
注射器の先から上がる噴水のしずくを受ける看護士の腕
海亀に出会った夜のシャンプーの香りをさっき嗅いだ気がする
寂しくて寂しくて俺この浜に卵を一つ産み落としたよ
青白き光を放つ夕顔のきみの冷たき肌に唇寄す
抜け殻の温もり残し枯野行くただ一回のことだったのに
雷鳴が近づいてきて去っていく間に失うであろうものたち
空っぽのきみの手紙が告げることあの長官が辞めてしまった
気になって振り返っても何もない忘れ物などしていないんだ
ぼそぼそと隣の席で話すきみ 父の俳句を読んで下さい
この次の約束をしてさよならし紀伊国屋まで本買いに行く
黄や青や赤色でなく身体ごとあなたの色に染めて下さい
みつめあうふたりのゆびが赤くなりまさぐるゆめは光りはじめる
また春が綿雲に乗りやってきて俺の心をかき乱してる
人生をやり直せるならもう一度俺を選んでくれるか君は
若草の妻も見ている十六夜の月を一人で異郷にて見る
半月の闇に潜んでいるきみは兎のような赤い目をして
雨垂れを眺める俺の右耳の奥で消えないムンクの叫び
空っぽのきみのベッドの温もりに溶けだしていく白昼の夢
落下する一瞬前に占めていた位置はすばやく空気が占める短歌3月
真昼間の傾いた陽の光浴びただひたすらに歩く人たち短歌3月
この海の水平線の向こうにはイギリス人の住む国がある短歌3月
ぬばたまの暗黒星雲吹き飛ばすきみの元気を僕に下さい短歌3月
クリームの歌ったホワイトルームには一輪挿しの真っ赤な薔薇が
トランプのハートのような赤色のセーターの中のきみの心臓
筑波嶺が夕陽に赤く染まるとき滑り台にはあなたがいない
慣れていたあの椅子がないこの部屋に赤い光が満ちあふれてる
半月の闇に潜んで泣くきみに血潮が満ちる朝を夢見る
夕焼けのピンク色したほっぺたの歯に絡みつくヴァニラファッジよ
南港をまたいで渡るバスに乗り西日の中を関空に着く
多摩川の河原で拾った黒い石落ち着かないとき握りしめてる
中指の付け根の白い傷跡の痛みを思い出せないでいる
ひび割れた硝子の窓に大陸の黄砂が積もり失った恋
青白い月がゆっくりついて来る ひとりごという母と歩いた 
たらちねの母の生まれたその朝の田んぼに白く光るものあり
美しき故にあなたは世間よりうとまれひとり田螺を守る
冬の朝カラスが田んぼに群がってたらちねの母は啓示授かる
我が母は案山子となって田に立って稲穂を守り田螺育てる
我が母の田んぼで歌うその声に田螺が集い昼寝している
我が父は神棚を捨て数珠を捨て母に従い田螺を信ず
我が母が田螺の精で身籠ったその日の夜に流星が降る
ぬばたまのこの世の闇に一筋の田螺の光われを導く
寿司桶にイクラが三粒こぼれてた母とふたりの梅雨の日の昼
秋晴れの朝に荷造りするきみの部屋のタンスの跡の青さよ
ベランダに並んで町を見下ろした荷物を出したからっぽの部屋
真夏日の車の中に干からびた別れたはずのきみのまぼろし
間違って乗ってしまったこの列車あなたの町に着くはずがない
結び目がほどけなくなりこれ以上一緒はいやと切ってしまった
餡だけを食べてしまったあんパンの真中にできた暗い空洞
雷鳴が近づいて来て去って行く間に失うであろうものたち
峠から振り返っているキタキツネのような目をしたきみとの別れ
視線感じ振り返っても誰も居ぬきみが座っているはずの席
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by trentonrowley | 2006-11-30 23:59 | Comments(0)
2006年 11月 30日

ハイヒール

コツコツと距離を保ってついてくるこのハイヒール赤色のはず
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by trentonrowley | 2006-11-30 09:00 | Comments(0)
2006年 11月 30日

ハイヒール

コツコツと距離を保ってついてくるハイヒールの色を想像している
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by trentonrowley | 2006-11-30 08:57 | Comments(0)
2006年 11月 29日

雌鹿

雌鹿が小さな尻尾振りながら男性社員を尻目に歩く
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by trentonrowley | 2006-11-29 21:40 | Comments(0)
2006年 11月 29日

自転車

自転車の荷台に乗って目をつむれあとへあとへと飛んでいくのだ
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by trentonrowley | 2006-11-29 15:31 | Comments(0)
2006年 11月 29日

のぞみ号

のぞみ号5号車2番D席に落ち着いて読む佐佐木幸綱
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by trentonrowley | 2006-11-29 14:43 | Comments(0)
2006年 11月 29日

ナン

焼きたてのナンをちぎって食べながら困ったことはないかと聞くきみ
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by trentonrowley | 2006-11-29 00:19 | Comments(0)
2006年 11月 29日

ナン

焼きたてのナンをちぎって食べながら困ったことはないかと聞かれた
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by trentonrowley | 2006-11-29 00:18 | Comments(0)
2006年 11月 28日

ナン

焼きたてのナンをちぎって食べるきみの下唇のナンの小片
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by trentonrowley | 2006-11-28 21:16 | Comments(0)
2006年 11月 28日

遠い夏母を訪ねて来たきみのみやげの瓜の白い果肉よ
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by trentonrowley | 2006-11-28 21:03 | Comments(0)