暗黒星雲

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2007年 03月 31日

2007年3月

「容疑者を逮捕」のニュース聞きながらきみは隣りで目ぐすりを差す
イヤフォンの片耳ずつを分けあって首振る少女たちは明日へ
うさぎなど見たことのないふるさとの山と川とを地図で探した
エプロンと三角巾を身に着けてよそってくれた大盛りの豆
おおいぬのふぐりの花の空のいろ映す川面に光あふれる
おおいぬのふぐりの花の空のいろ映す川面に春風ゆれる
おおいぬのふぐりの花の空のいろ映す川面に春風光る
おおいぬのふぐりの花の空のいろ映す川面に風光る午後
カーテンの上がらぬうちに舞台からホールを揺るがすベースとドラム
きみからの電話待ってる週末の庭を横切るひよどりの影
このままでしあわせというきみの愛奪ったあとに残ったものは
さよならといわれた夜に鍋焼きのうどんをふうふう吹きつつ食べる
ジーンズと浴衣で見上げる夜空から火の粉が降って来た夏の海
ジーンズと浴衣で並ぶ頭上へと火の粉が降り注ぐ夏の宵
しらさぎのたたずむ山田川の面に浮きあがりくる緑亀はも
スプーンが重なるようにしっくりとかみ合うならば旅立てるのに
そうなんだたとえばきみを殴った夜きみが黙って耐えてたことなど
ちりそめしひとひらうかぶいけのもに帰命頂礼善男善女
となりには駅弁食べるやつがいてそのまた隣で咳をしている
ドライブの途中できみはぐずり出し柳井の駅にきみを降ろした
どんぶりの温もりに手を添えながら昨夜のきずをかばって食べる
ボタン散って転がっていく教室の床にピンクのワコールのブラ
ほほえみはきみのいたずらきまぐれになみだをみせて俺を惑わす
愛情と肉欲利害体面を秤にかけるバランスシート
化け猫のように突然変貌し世界を憎み忘れてしまう
我を呼ぶこの声は誰ゆめのなか目覚めたあとも遥かに誘う
葛飾の矢切の渡しの都鳥わたしの夢をさらって行くな
寒月の凍える夜の果てぬうち灰色熊の物語して
干からびたみみずのリングふたつみつ転がっていく赤い坂道
眼鏡掛けダークスーツのおじさんが並んで頭を下げる早春
給食の懐かしい味もう一度鯨の竜田揚げを食べたい
給食は懐かし鯨の竜田揚げからくれないにおからのたいたん
給食は懐かし鯨の竜田揚げからくれないに水くくるとは
玉ねぎをみじんに切って出た涙ともに炒めてきみに食べさす
見つめればほんのり染まる耳たぶの膨らみかけた花蕾色
現役のバリバリ逃げてはったけど辰巳屋さんで特鰻(とくまん)食べる
限りない宇宙の果てで振り返る背中に刺さる憎しみの火矢
午後五時の布団を叩く秒針のタイヤの回る寒い音する
今までと同じ時間をこれからも一緒に生きて行くということ
三月に寒波が南下合羽着てスコップ握り降雪を待つ
始まった日には必ずうがいして南の鹿とさよならをする
種をまく二人の上にどんよりと覆いかぶさる雲の上には
十八の番号札で待つ俺の向かいにおにぎり食べる子がいる
渋谷からメトロに乗って浅草のあなたの許へ花を届けに
春の色菜の花水仙たんぽぽと朧月夜に生まれたひよこ
深海に眠れやあしの長き子よもうすぐ母が夢を見るから
深海に眠れやよい子背をまるめもうすぐ黒い月が出るから
前に立つ少女のブーツとスカートの裾の間の白い円柱
前に立つ少女のブーツとスカートの裾の間を見てる海亀
早すぎた開花予想につられ来て蕾の下にゴザをひろげる
早春の冷たい風を追いかけるヒヨドリ映す午後のカーテン
窓に雪が積もらなかったから俺は蛍の光で歌集を読んだ
窓外を流れる闇に浮かぶ目のこぼすふたつの青いドロップ
太陽にてのひらかざし血流の沸騰を待つてのひら発電
朝食にむいたりんごのその肌のあざの痛みを思いつつ食ぶ
通勤のスポーツ新聞捨てかねてHカップを鞄にしまう
東海の不思議の国の片隅で不思議な歌を読んで楽しむ
東海の不思議の国の片隅で不思議の歌をよんで楽しむ
動輪の展示の脇で機関車のように煙をはく人の群れ
日曜の午前に父と裏山で松風の下爺婆を掘る
配られた給料袋の金額を確かめたあと個室から出る
半月の闇に潜んでいるきみは兎のような赤い目をして
板壁にその名が大きく書かれてた人のお通夜で食べたお握り
友人のお通夜の席に満ちあふれ我らを隔つ生死の記号
友人の訃報を受けた休日に競売にかけたカメラが売れる
浴室に冷気が忍び込んでくる家族の中に吹くすきま風
浴室の湿気のせいで朽ちかけた床を避けつつ脱衣する我

夢にみる昭和三年三月の雛の祭りの赤い毛氈
湯豆腐に入れるとうふをてのひらにのせて切るのがこわいとっても
お互いが片思いしていることを知らないままの卒業の朝
何もないところを穴と呼ぶ穴はあるのでしょうかないのでしょうか
理想はね雲雀のたまごいつだって父さん母さん歌ってるんだ
きこえるは朝のためいき今日こそは飛びたって行け女よひとり
浜寺を過ぎれば見える菜の花のやや苦いそのおひたしの味
あけぼののトマトケチャップたっぷりとあなたの口に満つオムライス
階段の上の部屋では鏡台の前で女が昼寝している
水没の鎮守の森の山桜水子が群れて月下に愛でる
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by trentonrowley | 2007-03-31 23:59
2007年 03月 31日

047:没 (新井蜜)

水没の鎮守の森の山桜水子が群れて月下に愛でる
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by trentonrowley | 2007-03-31 17:38 | 題詠100首2007
2007年 03月 28日

菜の花

浜寺を過ぎれば見える菜の花のおひたしのそのやや苦い味

浜寺を過ぎれば見える菜の花のやや苦いそのおひたしの味
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by trentonrowley | 2007-03-28 22:57
2007年 03月 28日

046:階段 (新井蜜)

階段の上の部屋では鏡台の前で女が昼寝している
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by trentonrowley | 2007-03-28 13:14 | 題詠100首2007
2007年 03月 28日

044:寺 (新井蜜)

浜寺を過ぎれば見える菜の花のおひたしのそのやや苦い味
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by trentonrowley | 2007-03-28 12:46 | 題詠100首2007
2007年 03月 28日

045:トマト (新井蜜)

あけぼののトマトケチャップたっぷりとあなたの口に満つオムライス
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by trentonrowley | 2007-03-28 12:21 | 題詠100首2007
2007年 03月 27日

043:ためいき (新井蜜)

きこえるは朝のためいき今日こそは飛びたって行け女よひとり
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by trentonrowley | 2007-03-27 09:00 | 題詠100首2007
2007年 03月 26日

042:海 (新井蜜)

栃ノ海の小さな体にみなぎる力をわたしはあすも信じる
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by trentonrowley | 2007-03-26 20:49 | 題詠100首2007
2007年 03月 26日

041:障 (新井蜜)

あしたの障害物競走で一等賞になるいつもみる夢
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by trentonrowley | 2007-03-26 19:47 | 題詠100首2007
2007年 03月 26日

039:理想 (新井蜜)

理想はね雲雀のたまごいつだって父さん母さん歌ってるんだ
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by trentonrowley | 2007-03-26 19:06 | 題詠100首2007