暗黒星雲

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2008年 09月 30日

2008年9月

完熟のトマトにかぶりつく庭に祭り囃子が遠く聞こえる
梅雨晴れの真昼の街を沈黙し赤色灯つけパトカーが行く
一斉に鳴きやむ蛙 たったいま命の謎に気づいたように
幾十の破片となりてそれぞれの宇宙を映す投げた手鏡
ひとつだけ朝顔ひらき誰もいぬ運動場に降る宇宙線
崖上の樹々の暗さを背景に雨落つる見ゆ朝の駅から
金曜の昼の木村屋三階で産み終えし主婦たちがパン食む
下駄ばきの開襟シャツが指示をする現地生産 午前の銀座
島影は水の楼閣取り上げる双眼鏡の波のまにまに
だれもいぬここであたしの矢をえらび構えのなかによみがえる夏
迂回して撃ちに行くけど方法を忘れはしない聞き耳たてる
とんでいく弾をえらんで順々に仕留めるといい樹をよじのぼり
野にいでてひゅういひゅういと笛がなり立っている場所ひどく乾いて
この地熱炎暑の四肢を思い出し眉はもちろん顔のことなど
手前からななめに光り一瞬のみずのにおいは葦の波間に
闇夜には濡れた眼玉に慣れること影の後追い弾をえらんで
くるぶしに噛まれたあとがいきものの歯と歯のあいだはいりとどまり
かざしもに押し流されてゆがむ雲嫌悪を浴びて草木は黙る
矢をえらびそのときひゅういと笛がなりだれの目からもその身を潜め
えもの待つ乾いた泥によこたわり寝たりはしないまたたきもせず
波打って薄れはじめた蜃気楼見届けてから撃ちに行くけど
水槽のガラスは白くヴィーナスの背中の汗が乾いたように
八月の水面に浮かぶうたかたは人を恋せし人魚のさだめ
大粒の雨が窓うつ雷鳥も福井過ぎればもう夏の毛は
真夜中にまた未明にも団体で歩く女の声に目覚める
貸倒引当金は取り崩せ逃げられたならおしまいだから
手をつなぐ二人が多いカート引く団体もある休日の街
振り向くと川音高くそれだけで感情みんな押し流されて
あなたにはぱっと捕まる襟つかみ肩はたちまちのしかかられて
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by trentonrowley | 2008-09-30 23:21 | Comments(0)
2008年 09月 29日

塔e歌会2008年9月 詠草

あなたにはぱっと捕まる襟つかみ肩はたちまちのしかかられて
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by trentonrowley | 2008-09-29 20:29 | | Comments(0)
2008年 09月 26日

雲井阪

指差して確認するはこの部屋に我のほかには誰もいぬこと
真夜中にみず飲みにいくのはきらいトイレのドアがきいっとなるから
知っている音調なんだ予告なくこれを聴いたら隠しきれない
しかたなく月に刺されていっぺんで鱗はげ落ちいのちのはてに
一日のはじまりに咲く朝顔の色に染まった高い穹窿
茶を運ぶ足が乱れて絨毯にこぼしてしまった沈む横顔
トトトトと速く打つ音ゆっくりと三度打つ音ノックの違い
新聞に挟んであったていねいな文字で書かれたあしたの予定
昼休み並んで歩くきみのこと我が子のごとく自慢したくて
バーゲンのジーンズ売り場の前で待つ 買い物客の群れを眺めて
振り向いて我をみつめる黒き目の青いターバンを巻いた少女よ
雲井阪ふたりで歩くおそ夏の降り止んだ午後葛切り食べに
火薬庫に近づいていく僕たちの帽子のつばを汚す小鳥ら
体色は葉に似せている青虫も樹下に落とした糞は隠せぬ
蛍篭つるした蚊帳の裾くぐり川の字となる叶わない夢
一瞬のためらいののち振り向いて離れてゆきぬ金曜の夕に
半袖のブラウスの色一日のはじまりに咲く朝顔の色
いつのまにこんなに暗くなったのか晒しの刑が終わった広場
空よりは見知らぬ人が堕ちてくる音におおわれ声を忍んで
コピー機のそばにたたずみその熱に癒されている秋のはじめに
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by trentonrowley | 2008-09-26 16:37 | | Comments(0)
2008年 09月 22日

毛細血管

薄暗い廊下の端の手洗いの鏡に映る在りし日の父
取り返しつかぬことのみ浮かびくる深き沼なり家族というは
父さんがその母さんにあげていたお札(さつ)が夢に貼りついていて
美術商森川はドア閉ざしおり雨に鎮もる福井あるけば
聖母像掲げる山車を引く群れが引き寄せられていく火薬庫
姉さんの白いセーター抱きしめて防虫剤の匂いにひたる
打ち寄せて崩れて返す 京都線となりに座る居眠り少女
弟の妻にもらった名刺入れ俺が誰かを忘れぬために
二階から駆け降りくればごめんねと間違い電話のすすり泣く声
なぜかって身体のことに興味あり登録したの怪しいけれど
太陽光写真に写す葉脈に似た妹の毛細血管 
てのひらとてのひら合わせみつめれば指紋認証ゾクゾクとして
明かり消し風呂に浸ればりりりりと妻をもとめるこおろぎの声
舌を見よ見つめていると誰でもがたかまってくる嫉妬がわいて
兄に会うあしたのためにコンビニの光の中へナイフを買いに
右端の棚にありますリンゴ剥く用途以外の使用不可です
ほんとうのことは書けない要注意でもなんか変むちゃむちゃ元気
また今朝も暗い顔して昨晩の残りのおかず器に詰める
ひえていく白い便器に鱗粉が描き足してある ひかり波打つ
死にたえた終着駅の八月の鏡の中に目を光らせて
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by trentonrowley | 2008-09-22 10:14 | | Comments(0)
2008年 09月 15日

矢をえらぶ

島影は水の楼閣取り上げる双眼鏡の波のまにまに
だれもいぬここであたしの矢をえらび構えのなかによみがえる夏
迂回して撃ちに行くけど方法を忘れはしない聞き耳たてる
とんでいく弾をえらんで順々に仕留めるといい樹をよじのぼり
野にいでてひゅういひゅういと笛がなり立っている場所ひどく乾いて
この地熱炎暑の四肢を思い出し眉はもちろん顔のことなど
手前からななめに光り一瞬のみずのにおいは葦の波間に
闇夜には濡れた眼玉に慣れること影の後追い弾をえらんで
くるぶしに噛まれたあとがいきものの歯と歯のあいだはいりとどまり
手を掛けてゆるせないから火にかざす肉は骨から外れるものを
噛んでいた羽のあるもの食い尽くし現れたもの捕えて焼いて
かざしもに押し流されてゆがむ雲嫌悪を浴びて草木は黙る
矢をえらびそのときひゅういと笛がなりだれの目からもその身を潜め
えもの待つ乾いた泥によこたわり寝たりはしないまたたきもせず
波打って薄れはじめた蜃気楼見届けてから撃ちに行くけど
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by trentonrowley | 2008-09-15 10:35 | | Comments(0)
2008年 09月 13日

水槽

水槽のガラスは白くヴィーナスの背中の汗が乾いたように
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by trentonrowley | 2008-09-13 22:13 | Comments(0)
2008年 09月 13日

八月

八月の水面に浮かぶうたかたは人を恋せし人魚のさだめ
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by trentonrowley | 2008-09-13 22:11 | Comments(0)
2008年 09月 13日

開襟シャツ

下駄ばきの開襟シャツが指示をする現地生産午前の銀座
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by trentonrowley | 2008-09-13 22:08 | Comments(0)
2008年 09月 13日

木村屋

金曜の昼の木村屋三階でパン食む主婦ははや産み終えぬ
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by trentonrowley | 2008-09-13 22:07 | Comments(0)
2008年 09月 13日

呉服

雨あがり呉服河島みぎに見て上弦の月に向かって走る
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by trentonrowley | 2008-09-13 22:06 | Comments(0)