暗黒星雲

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2008年 11月 30日

日経歌壇 岡井隆選 2008.11.30

かざしもに押し流されてゆがむ雲嫌悪を浴びて黙る草木は
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by trentonrowley | 2008-11-30 17:28 | 日経
2008年 11月 30日

日経歌壇 穂村弘選20081130

Lサイズ探してみたが見つからずはみ出すだろう朱夏のからだは
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by trentonrowley | 2008-11-30 13:42 | 日経
2008年 11月 30日

ほむら機械

秋の陽をしずかにうけて身じろがぬ大樹のごときサイクリングマシンよ
フライングソーサーがビルの屋上のクレーンの先にとまっている
ばあちゃんが麻糸つむぐ夕暮れの紡ぎ車は永久機関
朝礼に部長課長を並ばせてモグラタタ機の小気味よい音
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by trentonrowley | 2008-11-30 12:56
2008年 11月 30日

2008年11月

背のうえに蠅を泊めたりするけれど熱と埃で砂地のような
草の音鋏はふたつよどみなく垂れた白濁燃え上がろうと
笛がなりついとあめんぼかせぐ距離気配すらない秋がきていた
駆けていく力いっぱい足もとの箱を抱えて小高い丘に
鳴るでしょうたぶん戸棚の三栗の中の汚物が空気に触れて
あるでしょうまた落ちて生え埋めつくし小さな夏のそのにぎわいに
無いような縁に二つの角交え乾いてしまうああこの菊も
水底にひかりよとどけあおむけのおれのこころを貫いてなお
間違って昆布の破片そのものが拒まなかった遠い旅立ち
気にしないサイレン錆びて途切れても海に面した村をいこわせ
皆ひるむ彼の荒んだ青白く濡らした汗は獣の涙
やり方は向かい合わせる指先で描いたものでほぐしはじめる
貼りつけるしらないひとに引きとられ夜があけたら扉を開けて
殺すのもあぶりこんがりゆるさない尻の大きな姿をつつみ
「好きだ」という 夢の女は我がうえに倒れきたりて耳許近く
吊るされた人の生る樹の下枝にたわわに稔り足がぶらぶら
右の手の人差し指がジンジンと脈打ち痛む雨戸に詰めて
眠らないお前の咳を遠く聞き心張り棒を板戸にかます
老残の日をむざむざと過ごすためのどの痛みをこらえ眠らな
夜半には雨戸を揺する風が止み振り子の音の充ちる六畳
この俺にまた秋が来てあきらめるほかしかたなく川辺を歩く
学校の帰りに読みしエジソンにならんとしたり電池を買いて
雨のあさ南京黄櫨の赤い葉が覆う歩道を駅へと急ぐ
ぎんなんの路面に落ちた果肉避けひと駅の距離を朝あさあるく
クレーンの先が屋根から突きだして小雨の中に黄色く浮かぶ
弟のメールに問えりふるさとの菩提寺に咲くしろき花の名
ひきだしの奥にしまった貝殻は光りを放つ誰もいぬとき
刈り取りの前の稲穂と黄を競う雨の背高泡立草は
整列し小雨に濡れて墓石が通りすぎたりのぞみの窓を
雨粒が一粒髪の毛に落ちる高輪口のゼブラゾーンで
図書館へ二人で歩く雨のなか泡立草がしずかにぬれる
本当に見たのだろうかよその猫おまえが抱いて泣いていたのを
秋晴れの下に広がるこの町を女は心を病みてさまよう
トレイ持ち脇見をせずに窓際のカウンター席へひとりで向かう
快速は停止信号待っている視線合わさぬ通勤者乗せ
切り替えの途中の顔が並んでる会社モードと家庭モードの
隣席の少女はわれに身を預け命の重さつたえくるなり
小春日のひと日は暮れて水底のひかりのようなロッシーニ聴く
ふらふらと歩いてさがすみぎひだりこれからともに生きていくもの
夕飯に食べたビビンバ胃にもたれ集中できず読む「ネフスキイ」
浮き沈みさざめく声の波のなかあすの予定を反芻してる
踏切の赤いランプの点滅が微笑みながらわたしを誘う
薄皮をむくたびまたも現れるわれをみつめる見知らぬまなこ
落下するこの絵の中の水蜜のオルガスムスのこのかなしみは
ガラス拭く男の尻を見上げつつ出会いの予感に膨らむ胸は
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by trentonrowley | 2008-11-30 10:16
2008年 11月 28日

塔e歌会2008年11月

落下するこの絵の中の水蜜のオルガスムスのこのかなしみは
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by trentonrowley | 2008-11-28 18:09 |
2008年 11月 23日

笹短歌 アイドル

サーカスのテントの裏で白タイツ手洗いをする山口百恵
忘れもの取りに走れば森昌子膝小僧から赤い血たれる
朝な朝なジュリーの写真に手を合わす卒寿の母の永久の悲しみ
受け口の松田聖子よ真昼間に主婦たちの飲むストレート・ティー
プレスリーの下腹じょじょにふくらんでトトロとなりゆく喪失感は
信長は天守閣より飛び立てりゆるいゆるい世界きらいて
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by trentonrowley | 2008-11-23 22:18 | 笹短歌
2008年 11月 15日

船底の狭いフロアに雑魚寝して足の臭いを嗅ぎつつ眠る

船底の狭いフロアに雑魚寝して足の臭いを嗅ぎつつ眠る (新井蜜)

ダ・ヴィンチ2008年11月「短歌ください」穂村弘選
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by trentonrowley | 2008-11-15 21:33
2008年 11月 08日

塔大阪歌会2008年11月詠草

刈り取りの前の稲穂と黄の色を競う背高泡立草は
整列し小雨に濡れて墓石が通りすぎたりのぞみの窓を
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by trentonrowley | 2008-11-08 17:56 |
2008年 11月 05日

2008年11月投稿候補

CQと呼びかける人ばかりいて誰も応答しない夕暮れ
きみはまためまいむかつき寒けする 生きてることのしるしであろう
シャッターが軒並み降りた地下街を裸足の女が走り過ぎてく
そこからは俺の領域それ以上寄ってくるなよ縄張り越えて
雨あがり呉服河島みぎにみて宿舎へ急ぐ出張の夜
慣れていたあの椅子がないこの部屋の赤い光が俺を拒否する
思いがけぬ人と出会いてやすらぎの集いとなりぬ帰国者の会
思川渡って三十年前の記憶をたどり生家へ向かう
止まってる時計も一日二回だけ正しい時間を指す時がある
尻尾まで餡のつまれる鯛焼きのほのかに温ききみが椅子はも
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by trentonrowley | 2008-11-05 13:06 |
2008年 11月 04日

さっきから

さっきから誰かがあとをつけてくるあなたのあとをつける私の
そのくらさまばらなはやし立ちしゃがみはるか深くに伸びあがるもの
うしろからおしてもらってベランダのさくからとんだかぜ切りおちる
回送の新幹線が止まってる白い車体を横で見ている
歩けない足が痛くてタンスからふくさをだして荷物にいれる
埠頭から落ちてうかんだこのみずはとても冷たい暗くなってく
赤ちゃんの写真が私を見つめてる助けてほしいほしいといってる
さあ早くよけてよあなたこのままじゃぶつかるでしょうやだな朝から
てのひらをひろげたとこにひとつぶのしずくがおちる甘いおもいで
結び目がほどけなくなりこれ以上一緒はいやと切ってしまった
かあさんの手はあたたかいのどのとこねむったふりして薄目をあける
飲み干したことの余韻はひっかかり時間を止めるお昼わたしは
ひらがなのなまえをかいたてのひらをみずにひたしてひにあててみる
真っ暗になってきたけど帰れない先島諸島というところから
何も着ずねるのはさむいどうろにはごみがおちててせなかがいたい
間違って乗ってしまったこの列車あなたの町に着くはずがない
冷房がきつすぎるからそとにでる雨がふってる傘がないのに
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by trentonrowley | 2008-11-04 16:45 |