暗黒星雲

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2008年 12月 31日

2008年12月

吊し柿の赤くらぐらと日を受けて道急ぐ我のこころ渇くも
ひとりだけ酔ってしまって「きみはいい偉いよ」などと口走るんだ
「どうしても酔えない夜に会うなんてしてはいけないことだったのね」
もう二度と会わぬと決めた夜だけど濡れた舗道に朝日がさせば
画面から顔をあげれば我の待つ電車はすでに扉閉じたり
天からの指令がきっとかくされておれをまってるはずの風景
本屋にはきょうもなかったメッセージそのときまでにくるはずのもの
里山のもみじの色が変化する速さの波に乗ってくるもの
コーヒーに落とすミルクの渦巻きをみつめていればあちらが見える
空調の音のリズムを読む技術習得までの長い年月
バスタブに垂れるみずおと打ち寄せる南の島の波のしずくよ
ワイキキの浜辺に強き光降りひとがたの影を焼き付けにけり
コーヒーに落とすミルクの渦巻きに浮かぶ心の向こうの闇が
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by trentonrowley | 2008-12-31 23:15
2008年 12月 30日

ほむら人名

わたくしは斉藤でなく新井です何度言ったら分かるんですか
朝な朝なあがるひばりの目玉焼きジョンとヨーコがベッドで食べる
寝ころんで別々の本よみながら新井夫妻は話し続ける
セロニアス・モンクがうめく真夜中の壁の向こうの光のなかで
階段を登る途中で転がれば空に声がす カストロを撃て
あれはきっと最終列車歳末の太宰治の故郷に向かう
次のあさ太郎と次郎の目は覚めず雪に埋もれて眠り続ける
ジェット機のエンジンがもし止まったらキクチサヨコよおぶってあげる
山田さんの笑顔が昨日とちがってた 差異分析が必要である
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by trentonrowley | 2008-12-30 16:26
2008年 12月 17日

聖田螺教

たらちねの母の生まれしその朝に田に光あり田螺湧き出づ
美しき故にあなたは世間よりうとまれひとり田螺を守る
冬の朝啓示授かり我が母は教祖となりぬ聖田螺教
御神体の田螺を烏が食わぬよう案山子となりて母は田に立つ
善男と善女に母のご託宣「備えよ飢饉に食うな田螺を」
医者にさえ分からぬ叔父の病因を「田螺を食ったせいなり」と母
我が父は神棚を捨て数珠を捨て母に従い田螺を信ず
我が母が田螺の精で身籠りて産まれ出しがこの我なるぞ
ぬばたまのこの世の闇に一筋のお田螺様の聖なる光
我が母はお田螺様の御心をお歌に詠うおお田螺教
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by trentonrowley | 2008-12-17 13:48
2008年 12月 16日

塔2008年12月投稿

雨のあさ南京黄櫨の赤い葉が覆う歩道を駅へと急ぐ
ぎんなんの路面に落ちた果肉避けひと駅の距離を朝あさあるく
整列し小雨に濡れて墓石が通りすぎたりのぞみの窓を
刈り取りの前の稲穂と黄を競う雨の背高泡立草は
快速は停止信号待っている視線合わさぬ通勤者乗せ
切り替えの途中の顔が並んでる会社モードと家庭モードの
隣席の少女はわれに身を預け命の重さつたえくるなり
小春日のひと日は暮れて水底のひかりのようなロッシーニ聴く
眠らないお前の咳を遠く聞き心張り棒を板戸にかます
薄皮をむくたびまたも現れるわれをみつめる見知らぬまなこ
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by trentonrowley | 2008-12-16 11:19 |
2008年 12月 04日

塔大阪歌会2008年12月詠草

快速は停止信号待っている視線合わさぬ通勤者乗せ
隣席の少女はわれに身を預け命の重さつたえくるなり
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by trentonrowley | 2008-12-04 16:56 |
2008年 12月 03日

塔e歌会2008年12月

雲黒き(会者定離とは知りながら)ならやま通りを西へと急ぐ
雲黒き(会者定離とは知りながら)ならやま通りをおまえに会いに
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by trentonrowley | 2008-12-03 17:11