暗黒星雲

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2009年 01月 31日

塔2009年2月投稿

退避した農家の庭の竹垣をやすやすと抜け目覚めてしまう
朝焼けの東の空によみがえる髪の匂いとかすかな羽音
約束の時間が過ぎて立ち読みの詩集は徐々に重さ増しくる
薬剤部受付前に薄緑色の葉をしたゴムの木がある
耳鳴りと空調の音だけがするひとりでいたい夜もあるのだ
雪の日の洗濯物を取り込んだ後に祈った知らせを受けて
前後して訃報が届く雪の日にあなただけではどこにも行けぬ
夕闇に貼りついている顔がある扉はずっと開かれたまま
早口のウエイトレスはこの俺が異星語分かると思い込んでる
風邪声の窓口嬢は儀礼的笑顔つくらずキー打ち始む
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by trentonrowley | 2009-01-31 14:00 |
2009年 01月 31日

2009年1月

退避した農家の庭の竹垣をやすやすと抜け目覚めてしまう
朝焼けの東の空によみがえる髪の匂いとかすかな羽音
約束の時間が過ぎて立ち読みの詩集は徐々に重さ増しくる
薬剤部受付前に薄緑色の葉をしたゴムの木がある
耳鳴りと空調の音だけがするひとりでいたい夜もあるのだ
雪の日の洗濯物を取り込んだ後に祈った知らせを受けて
前後して訃報が届く雪の日にあなただけではどこにも行けぬ
夕闇に貼りついている顔がある扉はずっと開かれたまま
早口のウエイトレスはこの俺が異星語分かると思い込んでる
風邪声の窓口嬢は儀礼的笑顔つくらずキー打ち始む

温順な振りしてみんな寒さにはがまんしきれず駆け出していく
麦踏みに頬被りしてその人は寡黙であった田螺のように
寒いねと言えど女は振り向かぬ人は死んでもきれいでいたい
目の眩む光のなかで背中からじわりと迫りのしかかられる

バランスを崩して雲が落ちてくる高い空から頭の上に
日の差さぬ通路を戻り開け放てさみしい友よ六畳の部屋
マスクして居眠りをする通勤者 頭蓋の奥でうごめくミミズ
いじわるな白い兎に鮫たちが追われるように去っていく波
サンダルの踵をふんで茶をはこぶばかげたことだのぞき見なんて
見ることが世界を変える知るもんかなにをうたえばかわるかなんて
泣いている人に食傷逃げ出して都バスの屋根で笑う三日月
ほじくった額のきずを忘れない言いあらそいをした朝なども
あざのあるあなたの脚を思いつつまぶたを閉じてあごひげを剃る
もう既に寝ているだろう安らかに投げたボールがとどくときには
梅園を歩く日なかにすり抜ける夢の潜り戸さえずりのなか
大切にしまわれていた益子焼そういう義理を布団に包み
やめようかもう密会は屋上で宙をつかんで胸ポケットへ
新宿の西口広場思い出しいやいやをするまぶたを閉じて
畦道をまっすぐ走る泣きながら遠い過去から呼び戻されて
石投げて届かぬところ見えそうで水平線は見えないものを
雪道でつまずいたもの抱き上げるくびれた胴をいたわりながら
母親のあと追うようについて行く見知らぬ人に話し掛けられ
あてもなくさまよいながら待っている亀鳴く春を雑木林で
笹もって電車に乗って近づいて舐めて眺めて遠くへ逃げる
待ってれば暖かくなるいつの日か遠い霧雨けむる春の日
死を前にかつて生まれた怨念は形をなくしのっぺり薄く
止まらないせきどめを飲む暖かいふとんに入るなお止まらない
目の周り青く塗ってるきみだからぶたれた痣を喜びいるかも
やんかァという語尾がとっても好きだから浪花の女にだまされるのだ
赤いものが蠢いているもうすでに足を通したズボンの裾に
制服の暗いひとみに揺れるものあるんだけれど罠かもしれぬ
ペディキュアの指を反らせる全身の汗がすっかり乾いた後に
迷いつつ風邪で休むと電話するアメリカ製のネクタイを締め
密会の証拠をしまう我が胸の一番奥の狭いところに
ポンカンを食べすぎた夢きみに告ぐある理髪店のぞいた後に
こまひもを振り打ち鳴らすとりどりの飴の流れに近寄れないで
エレベーターホールで待てば我が後にあまい顔して社員が並ぶ
飽きてきたように見えたが挨拶はあの頃合いで良かっただろう
訴える口の動きは見えながら頭は骨の痛さを知らぬ
兄さんが肥やしをつかみ苗床に与える手つき真似しても 冬
秘密だと言われた人事聞きたくて明日にはもう蝶になってる
ホースから美しいもの出てこない飽きることなく噛み続けても
カーテンを開ければ寒い暁の青葉をたべて制服を着る
夕闇に男が白く浮かんでる塀に貼られたポスターの中
事務室の窓から見れば雨のなか青いリンゴが食べられている
なだらかに主語をなくして人類は助詞を得たのだ誰でもよくて
大方にもてはやされて十年後塔は崩れ再建される
砂漠から山谷を越え死海まで金の背文字を背負って歩む
冷めた喩の責めを負うのはなりゆきで主体となったわたくしである
形だけ効率上げろ委員会かいぎしつにもテーブル置くな
レッテルをしらないひとに貼りつける暗闇のなか扉を開けて
西へ行く貨物列車がまぶしくも視野を横切り大地は乾く
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by trentonrowley | 2009-01-31 11:51
2009年 01月 29日

塔2009年1月e歌会詠草

夕闇に貼りついている顔がある扉はずっと開かれたまま
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by trentonrowley | 2009-01-29 17:00 |
2009年 01月 27日

雪の日の洗濯物を取り込んだ後に祈った知らせを受けて

雪の日の洗濯物を取り込んだ後に祈った知らせを受けて
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by trentonrowley | 2009-01-27 09:25
2009年 01月 10日

塔大阪歌会2009年1月詠草

早口のウエイトレスはこの俺が異星語話すと思い込んでる
風邪声の窓口嬢は儀礼的笑顔つくらずキー打ち始む
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by trentonrowley | 2009-01-10 12:51 |
2009年 01月 05日

参加します。 (新井蜜)

2008年は次の100首を詠みました。

今日こそは言うつもりですさよならを凍える朝のおはようの後
次の方どうぞと言われ入ったら真っ暗闇を落下して行く
理由などないはずなのにさっきから上見てばかり 春はもうすぐ
傷口に塩をすりこむザリザリと許してなどはもらえないけど
若駒ははだれの中に放たれり父母を去ると決意せし朝
ドラマ見つつ居眠りしてるきみの顔にときおり浮かぶ苦悶の表情
暗闇に我を呼ぶ音 眠れずに壁打つきみはキツツキのごと
留守番の夜に寝られず 裏庭でうなる恋猫のごと風吹く
向きあって試してみたが目と目では会話にならず笑いころげる
長年のドアの重さに耐えかねて歪み始めたこの蝶番

除かれしひとりとしてのこの思ひ燃え上がらせむ向かひの岸に
キャンドルのゆれる灯りを反射してダイヤモンドのように光る眼
冬の日の優しきひかり海の上(え)に彼岸に至る道をつくりぬ
みずからを傷つけざるを得ぬきみよ 泉に清き水のあふれよ
上海の夜の明かりに照らされるアジアの中の暗いニッポン
確率は百% まだ先か今すぐなのか分からぬといえ
頭からかじる目刺しのはらわたのようなきみとの夜の後味
思いがけぬ人と出会いてやすらぎの集いとなりぬ帰国者の会
湯豆腐の鍋をはさんであすからの暮らしを思い黙して食べる
鳩小屋を出でて初めて飛び立ちて無限の自由の恐さを知りぬ

思い切り蹴飛ばしてやるサッカーのロングシュートを蹴り込むように
低いとこ低いとこへと流れてく歯止めがきかず流されるまま
引き出しの離婚届の用紙には茶色の染みがついてしまった
向こう岸をあなたは歩く真っ直ぐにこちらの岸はふりむかないで
あられもない寝乱れ姿隠さずに俺を試しているのかきみは
基礎英語講座を聴いた日々もあるあなたに出会うまでの年月
消毒の臭いにむせつつ休日の緊急外来処置室で待つ
子供会会長となり清明は夕焼け空に向かって駆ける
今日からはあなたの杖となり生きる転ばぬ先に呼んで下さい
真っ黒な土から湯気がのぼるとき地球は今朝も暖められる

風邪気味のあなたの寝息たしかめて忍び足にて電話に戻る
鍵盤にルージュをそっと引いてみる細い指先触れる辺りに
十四の夏にあなたと寝転んだすいか畑にコンビニが建つ
岡持を右手に持ちて右側に身体傾く白衣の少女
過去形のきみの話を聞くあいだ降りやまずあれ桜の花弁
船底の狭いフロアに雑魚寝して足の臭いを嗅ぎつつ眠る
Vネックの谷間のぞかせ差し出した書類の不備を指摘してみる
もしきみを愛することが罪ならば従容と受く有罪宣告
八王子駅のベンチで綿雲の行方を眺む待つ人もなく
納豆やオクラのように糸を引き粘るあなたの風邪が治らぬ

何もない二人であるがただきみの存在により支えられてる
テーブルに鱗がひとつ落ちていて午後の会議に身が入らない
本棚の歌集のしおりに使ってる当たるかも知れない宝くじ
厄除けにもらった鈴のお守りが天空に鳴る夜毎みる夢
楽譜には表現できぬ音がある。思い出してる桜散る音
設定を保存し忘れ初めから日暮れのオフィスでやり直してる
教室のかびんに挿したひまわりが枯れてしまっていた登校日
感情の重みに耐えて凧糸の描く弧のごとたわむ繋がり
着ることのまれなタンスの礼服がきつくなりまたややゆるくなる
確率はゼロかもしれぬ我がいのちきみの泉に注ぎ込むこと

我が部には三人の熊 一様に巨体なれども性温和なり
暇な日があってもいいさ考える人になりきるデスクに向かい
キヨスクで働く姉と新緑の森に寝転び月を待ってる
ふるさとの鎮守の森から流れくる遠き笛の音ゆめで待ってる
かさかさに乾燥してる唇に触れてみたくて風を待ってる
鯉のぼりの口はわたしの悩みをも飲み込むために空で待ってる
枕辺にパジャマを畳み身じろがず月光の中きみは待ってる
目出し帽かぶったきみをケンタッキーフライドチキンの前で待ってる
手をつなぎ帰れば今日はひっそりと炊き込みごはんと猫が待ってる
一郎の家の蔵には半袖の制服を着て姉が待ってる

ひさかたの@niftyふりあおぎ光求めるつみびとの群れ
浅漬けで茶を飲みおれば夕焼けの子を待つ母は踏切の前
スリッパが並べられてる玄関に身動きできぬ赤黒い蟻
ひとりだけ可憐な花となるために金魚をすくう夏昼下がり
眩しくてすいかの種を吹き出せば下駄の向こうに飛ぶ昼下がり
ひとりごと言いつつ歩く母のため光る小石をひろう春の夜
葱坊主数え終わった頃にまた一番星がまたたくだろう
いつまでも踊り続けるあなたには見えぬわたしの膝小僧の血
深呼吸しても苦しいこの町の気圧の谷がとても深くて
オリーブの実は嫌いです本籍は関東平野北端の町

メールには書けないことが多すぎてお早うとだけ書いて送った
真額に緑のシール貼られいてトラックに乗り早く逃げなきゃ
そこからは俺の領域それ以上寄ってくるなよ縄張り越えて
銀行の帰りに寄ったドトールの窓辺の席で読むカラマーゾフ
愛情や怒りに量があるのならどうして破裂せぬのか心は
色白の少年がいまジャンプして真っ逆さまに記憶の海へ
横やりが入らぬうちにひっそりと出かけてしまおう手に手を取って
待機して合図を待てと言われたがずるりずるりとはみ出てしまう
小児科の看板にまたとまってる不敵な顔のひよどりが二羽
Lサイズ探してみたが見つからずはみ出すだろう朱夏のからだは

炎天をゆっくり歩く感情の熱い嵐を鎮めるために
中天の月の光でナイフ研ぐしがらみはもう断たねばならぬ
居眠りし名古屋を過ぎて目が覚めるこのままずっと走れ止まらず
つまらないことで諍う青色の地球の上に雲がのの字に
うがいする男がひとり朝靄の街に向かいて喉(のみど)見せたり
雨よ降れ恵みの雨よこの土地もこの俺もまた浸されるまで
天使2に天使1から手紙きてあした天気になったら会おう
錯覚でないこと願う 山の端の夕日はいつも赤く大きい
減らず口たたく弟置き去りに列車はとうに発車しちゃった
道端で拾ったメダル五百円硬貨のように見えたが違う

渇いてるひとの集まるドトールの大テーブルで香川ヒサ読む
生い立ちを語るあなたの肌白く嘘かも知れぬと思いつつ聞く
俺たちはあなたの周り回ってる笑顔の放つ光もとめて
沈黙を続けたせいで話そうとしても言葉が出ない出てこぬ
コリコリと歯応えのある鯛焼きのしっぽを食べるひとりの部屋で
複雑なことは嫌いだぐっすりと朝まで寝たい夏至のみじか夜
訴える声は小さく街上の音に紛れて耳に届かず
シャッターが軒並み降りた地下街を裸足の女が走り過ぎてく
あぜ道を勇んで行けばリヤカーの荷台に乗ったきみはよそ向く
おやすみを言わず別れてひとり居る夜更けの窓に繁き雨音
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by trentonrowley | 2009-01-05 16:57
2009年 01月 05日

笹短歌 店屋・店名

057.gifドトールの外に小雨が降り始め濡れても走るグリコ青年
057.gifローソンの棚が空っぽ雲ひとつない晩秋の空に覆われ
058.gifマクドナルドの百円コーヒー値上げして百二十円 じっと手を見る
058.gifジュンク堂書店の椅子で今日もまたひらめきを待ち一日過ごす
057.gif目出し帽かぶったきみを浜銀のATMの前で待ってる
058.gif時計屋の壁の多数の時計たち微妙にずれて意地を張ってる
058.gifふんわりと熱く弾むは井村屋のあんまんときみの白きちちふさ
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by trentonrowley | 2009-01-05 11:15 | 笹短歌