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2009年 09月 30日

2009年9月

山積みの下着を漁るきみに逢ふ船場センタービルを歩けば
初夏の野辺の光を運びくる風に我が身を委ね立ちゐる
獅子唐が真つ赤に熟れる夏果の朝のあなたはいらいら化粧ふ
目の前の鏡に映る家家が遠ざかり行く前へ前へと
へへへへといふ笑ひ声聞こえくる線路の音の響く合間に
闇のなか走る列車は満員で立つてビールを飲む男たち
バス停に向かふ歩道の真ん中に蛇が腹見せ動かずに居る
抜け駆けをする男とは知らぬままともに昼飯食べた半年
蒙古斑おぼろならむか臨月の胎児は森を駆け抜ける馬
駆け抜けた森の空気を身にまとひ保育器をでて手足を伸ばす
曼珠沙華横目に見つつ撤収の議論続けるタクシーの中
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by trentonrowley | 2009-09-30 16:48
2009年 09月 30日

塔e歌会2009年9月詠草

蒙古斑おぼろならむか臨月の胎児は森を駆け抜ける馬
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by trentonrowley | 2009-09-30 13:12 |
2009年 09月 16日

塔2009年9月投稿詠草

一斉に振り向く真夜のコンビニの立ち読み客は皆おなじ顔
産まれたとことづけ残し走り出る上着とバッグ手早く取つて
地下道の左側から右側へ流れるみづを飛び越えられぬ
しゃあしゃあと鳴く熊蝉に足を蹴る生まれる前のやすらぎのなか
みづのない川底あるく赤んぼの頭のやうな石がごろごろ
千匹の蚊が鳴くやうなエアコンの夏の終りの夕暮れの音
お風呂場の網戸の向かうに張りついて俺の裸を視てゐるヤモリ
またどこへ行つたのだらう妻と子はかなかなのまだ鳴かぬ夕暮れ
少年の日々と一緒に捨ててきた熟れてゆくあの桃やスイカを
凭れあひ鞄だきしめ目をつむる夢から醒めたくない戦士たち
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by trentonrowley | 2009-09-16 11:07 |
2009年 09月 12日

塔大阪歌会2009年9月詠草

獅子唐が真つ赤に熟れる夏果の朝のあなたはいらいら化粧ふ
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by trentonrowley | 2009-09-12 22:33 |
2009年 09月 01日

あをあざ

背をまるめ眠れやよい子深海にもうすぐ黒い月が出るから
水たまりに浮かぶ白雲飛び越える月星印の雨靴はいて
裏背戸の三角畑の蕎麦当たれ 月に守られ藁鉄砲打つ
弟のクラスメートと手をつなぎ月に向かつて駆け降り笑ふ
丸い月半分に切り分けあつた 今夜はきみの月が照つてる
月見草のゆつくりひらく音を聞くきみと泳いで帰つた夕べ
かぐや姫迎への舟はまだ月を発つことできぬ雲にはばまれ
満月の盆踊りより帰りきてほてる足裏たらひにひたす
コスモスの畑にふたり隠れてた待宵の月が探しに来るまで
夕立に会はなかつたといふきみのひたひの汗にひかる月影
ありあけの月は冷たく妹はうつすら口をあけて寝てゐる
ひかがみの三日月型のあをあざをみてゐるうちに行つてしまへり
好敵手だつたお前をまう一度月夜に探してみるかくれんばう
十六夜の月が差し込む踊り場で踊り続ける赤い上靴
ホームから見上げる月を指差してきみは何かが足りないといふ
きみ宛ての手紙をだせず川越えて夏野を歩く月が出るまで
満月をてのひらに受け山門の仁王が我にふつと差し出す
中天の月の光でナイフ研ぐしがらみはもう断たねばならぬ
ひとり住む母の窓辺を照らす月のうさぎが我の庭先を跳ぶ
呼吸してゐるからふたを閉められぬ月の光が眩し過ぎても
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by trentonrowley | 2009-09-01 09:37 |