暗黒星雲

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2012年 01月 31日

2012年1月

(一人では生きてゆけない)ぎりぎりとねじを回せば締められてゆく
病むきみは隣りの部屋に寝てゐるが僕は一人でボブ・ディラン聴く
冬空に浮かぶ一人のひとの顔 早退の電車の窓に見る
我が町に第一銀行があつた頃一緒に歩いたただ一度だけ
一階のロビーで待つてゐたこともあつたのだけど雪の降つた日
一月の冷たい風に向かひつつ育児休暇中のあなたを思ふ
バファリンを一錠飲んで横になり煮込みうどんが食べたいと言ふ
一冊の詩集を手にし立つてゐる僕が求めてゐるのは誰だ
せんべいを一枚だけ食べたいと言ふきみと紅茶を飲む日曜日
一抹の不安抱へて開けてみたまだゐることを確かめるため
一時から寝てないんです 隙間から明かりの洩れる部屋であなたは
枕元で一心に読む『コンフェシオン』きみは漸く眠つたやうだ
俺の入る風呂はどこだ一階から七階まで探してもない
会議中早く帰つて下さいとメールが入る少し待つてよ
治りつつあるらし今日は漢方の薬をもらひ飲み始めたり
傘たたむ、ふたりで食べたナンの味思ひだすため雪になつたら
見つめれば動き始める冬の雲アパートの屋根を背後にずらし
漢方の薬は飲めば吐き気すると一回飲んでやめてしまつた
体温を上げるためにと生姜湯をいれてくれたり雪空の日に
ふたりでは行けないからと後輩も誘つて行つたふぐちり食べに
階段を登つてもまだ見つからぬわたしの入る風呂はいづこに
夜あらしに一人出て行き巻き込まれ排泄孔を写真に写す
わたしなら摩擦がつよいものながらきりりと締めて絵の具を拭ふ
三叉路の真ん中に立ち天啓が降つてくるのを待つ青いひと
似合はない花びら二つ夢の告げたなばたの夜見初めましたと
きみと行く十九にしては何のため堅気の事を考へたとて
生ま酔ひは小止みなく降る枝に差し朝に麻由梨が塗つてみるんだ
中指の一歩手前で凧糸の燃ゆる春の日ボールを投げる
雷鳥も神の子となる七月の下駄の向かうにきみのあしおと
たはぶれてあなたの脚が埋めつくし腹の大きな生身を賭ける
鰹でもかつただらうかひげはやし捕縛できても私は私
乾かない洗濯物は吊されてソファーのきみの寝息乱れる
ふらふらはするけど熱はもうないと雨の降る夜の飲み会に行く
雨のあとふたりで送る声高に話す友だち婦警だといふ
大判のタオルをたたみ枕にし赤い目を閉じ眠らむとする
(見てるからあきらめないでくださいね)あの過ちはくりかえせない
鼠にも僧が答へるどこかねえ小雪ふる夜シベリアを越ゆ
春雨に核弾頭のたうとけれ活ける泉に悪さうにして
メラメラと蜂ぢやないから目の眩む小さな夏の腹のあたりに
痩身が折れさうになる姉さんの縛られながら憩ふ時間に
だれなのか鼻孔の底にましまさば再生される右のてのひら
なになのかその時僕は狂言に這ひあがつてく抜けてしまつて
戸を閉めて光をあてて大粒の主婦たちの飲むしんずる根拠
魂に電話してきた奥の疵のけぞつたときまなざしに会ふ
哀れとふ炎えるわたしの泣き言にきみは隣りで東に向かふ
捨てることさせないためにホルン吹き厚い背中に曲譜を追つた
みんなからひどくやられた暮れ始め遊ぶ少女が文をやるほど
若駒はしませぬけれどなんべんもやり直してる井戸のまはりに
鍋釜は歩道をふさぐ逃げ水を見ながらきみと今こそ悟る
窓際のひかりのなかに置かれゐて極寒の朝に咲くヒヤシンス
過ぎ去れば帰つて来ない風だつた漂流しつつ朝を迎へる
栗カボチャぼくらの土地で受け渡し思ひ出だけでお上がりなされ
矢をえらび女は犬にアイリスを癌にやられた俺を見てゐる
破綻した溝板の音片側に杳い雷気があふれ出てくる
傷跡のやさしい群れよきみに告ぐ寝室を出てベルトを締めよ
近づいて迫らうとする(かはいくて)仮面を残しポーズを入れよ
真に受けていなかつたのでよきころは信じたことの喩とレトリック
あきらめにやんはり釘をさされたが嫉妬がわいてご飯を装う
ひとつだけ言はれませぬと下を向きかくては紅も問題になる
終末の父の歌聞く 青春の赤い跡見る不可知のことば
さそはれてこらしめのため芽吹かないひとつひとつの確かな国で
かぞふとや縁から落ちて諦めて一つ一つの雨の日のこと
彼はいふ気違ひじみた立場から影たちによる姦通事件
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by trentonrowley | 2012-01-31 23:44 | Comments(0)
2012年 01月 31日

水面にできた波紋が広がつて地球を蔽ひ宇宙を満たす


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by trentonrowley | 2012-01-31 20:37 | Comments(0)
2012年 01月 31日

見えないが気配感じる庭に出て池に小石をひとつ投げ込む


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by trentonrowley | 2012-01-31 20:24 | Comments(0)
2012年 01月 31日

義母さんは鼻水たらす咳をする見えぬ聞こえぬ鼻水と咳


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by trentonrowley | 2012-01-31 20:21 | Comments(0)
2012年 01月 31日

屋根に寝て月を見てゐる義母さんは寒くはないか風邪はひかぬか


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by trentonrowley | 2012-01-31 20:17 | Comments(0)
2012年 01月 31日

義母さんは西から風に乗つてきて庭に立つてる屋根に寝てゐる


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by trentonrowley | 2012-01-31 20:12 | Comments(0)
2012年 01月 30日

彼はいふ気違ひじみた立場から影たちによる姦通事件


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by trentonrowley | 2012-01-30 17:58 | Comments(0)
2012年 01月 30日

かぞふとや縁から落ちて諦めて一つ一つの雨の日のこと


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by trentonrowley | 2012-01-30 17:57 | Comments(0)
2012年 01月 30日

さそはれてこらしめのため芽吹かないひとつひとつの確かな国で


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by trentonrowley | 2012-01-30 15:05 | Comments(0)
2012年 01月 30日

終末の父の歌聞く 青春の赤い跡見る不可知のことば


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by trentonrowley | 2012-01-30 14:04 | Comments(0)