暗黒星雲

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2012年 04月 30日

2012年4月

ウマツテタ何か知らぬが虚無がある窒息しさうサフランの花
息をつめ手で抜き取つて蓋をするひえきつた道思ひ出すので
遠くから雨戸を鎖すこゑがする夏至のみじか夜とび色の風
鎖編みこれをこの娘の思ひ出に一念往生嬉しいことだ
道のない恥づべき過誤は水平の死のなかにゐる巨大な平目
飲み膨れのぞきこんでる下着屋の和服の巨漢書き付け置かむ
嶺を越え滅多矢鱈に聞こえきてカレーに飽きたと刺さる言の葉
腹中のカレーに飽きたと魂は蒲団の上に正しい意図を
芸術の気位たかく生きながら死んだ一人が驚いて吠え
橘を描く弧のごと見上げつつ伎芸天とはだれも知らない
欄干に十二の籠のうす明かり人もわらひて双つの世界
旅籠屋のお茶漬けがいい朝焼けの帽子のやうに正義をまとふ
旅人に会者定離とは言ふものの芽吹く緑に答へられない
夜のうち森の空気を貫いた無言の電気定めた規律
擂鉢に歯応へのある祝ひもの定年の日に虹かかりをり
刪定は海亀に聞け詩の授業無月の夜に届かぬものを
風の日に関税および貿易に関する一般協定を読む
そこにゐる未来の女相宿のうすくらがりの互恵協定
気にかかる定年までの春の日の今宵はここに繁りてありぬ
なぎ倒し謝したところが慣らせない定めた規律もうないのだと
生きるためわたしがそれを用意した予定を立てず旅に出ること
ひきずつて牛より狭い沈黙の餅をやるから曝されてゆく
焼餅を狭い所で行く雲と風を受けない哲学者たち
太陽にむかう魂暴露して裏の倉庫の花はきいろい
巡検使記されてゐる短歌誌を害意はないと在庫調整
ひのなかで身構へてゐる無精髭何か知らねど裁かれてゐる
無精者筆とり侍るかさぶたはわかつてゐたが血だらけにして
茶を煎じ溶けだす月に呼びかけて挨拶のあと本買ひに行く
溶かし合ひ世界はやがて土曜日の斑らに染まる降る雪の中
桃色の羊の群れと雲に乗る面を伏せておほくは女
桃の木のすぐうしろから新緑の手が届かない子どもらの声
隣室に掛けてある絵を転がせば父は無言で突つ立つたまま
寒いねと転がつてきたゆで栗は灰がついててそちらにゆけぬ
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by trentonrowley | 2012-04-30 23:56
2012年 04月 13日

寒いねと転がつてきたゆで栗は灰がついててそちらにゆけぬ


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by trentonrowley | 2012-04-13 10:02
2012年 04月 12日

077:転 (新井蜜)

暮れていく風の五月の部屋のすみ転がつてゐる黄いろいパンツ
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by trentonrowley | 2012-04-12 17:43 | 題詠blog2012
2012年 04月 12日

隣室に掛けてある絵を転がせば父は無言で突つ立つたまま


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by trentonrowley | 2012-04-12 17:41
2012年 04月 12日

076:桃 (新井蜜)

死ぬことを目前にして水色の水兵服の桃色遊戯
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by trentonrowley | 2012-04-12 15:40 | 題詠blog2012
2012年 04月 12日

桃の木のすぐうしろから新緑の手が届かない子どもらの声


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by trentonrowley | 2012-04-12 15:39
2012年 04月 12日

桃色の羊の群れと雲に乗る面を伏せておほくは女


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by trentonrowley | 2012-04-12 15:38
2012年 04月 12日

溶かし合ひ世界はやがて土曜日の斑らに染まる降る雪の中


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by trentonrowley | 2012-04-12 12:31
2012年 04月 12日

075:溶 (新井蜜)

イヤフォンのなかで溶けてる手首からシティーホールがたかく羽ばたく
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by trentonrowley | 2012-04-12 12:29 | 題詠blog2012
2012年 04月 12日

茶を煎じ溶けだす月に呼びかけて挨拶のあと本買ひに行く


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by trentonrowley | 2012-04-12 12:28