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2012年 06月 30日

2012年6月

いつまでも自分の意思で生きてゐる罪を犯した甲板の上
指を折りいはねばならぬ骨折りを言ひ甲斐のないわたしのために
片隅にあてのないもの積みかさね見つけることがありましたらう
夜半には破片となりてはなびらがなぜか御輿をわたしにすすめ
水底でチャンスうかがふ声影の伊予の湯桁も白昼の夢
うず高く生えるかぐつち 麺すすりこらしめようとチャンスうかがふ
トトトトと寄つてお出でよ来る夏を一緒にお出で改訂二版
跨ぐのもさあ大変だジョン・レノン全訂版はあなたが頼り
「うみ」といふ言葉を夢に浮かばせて向かひの席で揺れつつ眠る
韮を摘むおまへの指が指し示すこの世の果てに燃えるかぎろひ
まなざしは僕をつらぬき背後より迫る鰯の群れに突き入る
紫蘇の葉のかをりをまとひ三輪山の樹々をあふぎて月の出を待つ
喪つた鰹の刺身食んでゐた神を敬ふ烈しいひとと
調律を喪つたのか黒々と未来かときくかれらに知られ
ふりむくと餌をやつてた長い日々わたしの舌は聞かずに食つた
蒼白なわたしの父はそよ風に笑つたあとの舌をさらした
とめどないかれの談論夕闇の赤い炎に鉢巻き締めて
パンかじり鉢巻き締めて一幕の狂気の沙汰を混ぜ合わせ飲む
友情も虚空に於て童顔で知れた事よと位置を占めてる
神童も聞いたはずだが葭垣に知者と称して夕方になる
吉凶の条件を見た 花巻に生まれたものをあつめたいので
やき餅を食ふ条件で茫然と水たまり飛び彼岸に至る
担任は床を担いで溺死する不意であらうかさりとは豪気
担ぐのはきらひだといふたらちねを月に対ひてうたはなければ
流行は樹とも雲とも知つてゐた酷くのぼせてもどつてしまふ
仕組まれた樹木の開花この桃の母なる人に隠れるやうに
拭いてゐたとのことだつた目の前の二人の弟子はのちに出会つた
選ばれたおれも一時は拭いてゐた憩はせてゐる彼らのところ
ひそやかな声に目覚めた 文体は語尾がとつても軽佻浮薄
尾を引きて高ぶるものを嫌悪され帰つて行つた大島あたり
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by trentonrowley | 2012-06-30 22:37
2012年 06月 30日

題詠2012 2012.6.14

1~10 2月
スーパーな甘めの音で今はただ念珠を買ひに愛なのだとて
隣国のわたしの村は空白のひろい荒野に挟まれてゐた
散歩するをとめごたちを知るためにぼくの孤独はかうあるべきだ
欅ゆれ思念のさなぎとなり果ててふと目覚めれば現在位置に
いでやかの作中主体、接点は別れる時に生まれたものの
思ひ出し肉を空気を奢る者反芻してるアナログ時代
押しとどめ匂ひにひたる好きなのは驚いた顔だまされるのだ
春秋の僕らの生の水面が深くはないが身に沁みるのだ
出帆も雨戸をしめる程度です まばゆい光が現れたから
哀願し炎夏のなかを教会でカードをめくり剥がれ落ちくる
11~20 3月
奥底へ連れて行かれて沈みをり二人揃つて信じるやうに
つかはれぬ放蕩息子毎日を眉を寄せるに隠しをりしか
一瞬の逆さ落しに目が覚めた何をしたらう憎しみもなく
昼狐真つくらがりで縮んでる神よあなたは偉いのですか
法事だと図書館を出る嘘つきのいたみにそまつたわたしを群れに
暴力を忘れぬやうにその肌は非を知りしとか影ならずとも
あをあざをひやかすもありむかしより咳をし続け忍従の穴
雨の日に世界を憎む橋を越えはかない希望受けとめるため
知つてゐる朝はまだ来ぬこの部屋はしらない夜にそつくりだから
立ち枯れた背中に触れた劇場の彼は嚥下しさうしたんです
21~30 4月
野にいでて言はねばならず足取りは寄る辺なげなる子に示される
そのはうが生きてゐられる突然に烟草すぱすぱ何も言はずに
やはらかさ必要としてねころべばあたたかな泥、一夜にて出づ
強ひられた制服の肩手を振つて玩具の位置を目撃してゐる
託された縁に二つの唐がらし触れてみたくて忘れてしまつた
変態!とシャワーを浴びてささやけば春一番が風に向かへと
初夏の兄の結婚かけ損じ総てのもののあやふげなるを
腰痛の巨きな黒いとんばうも胃がもたれてる高脂血症
遍歴のみんな地球に留まつて二階座敷の部屋を探さう
敗けてから日々の記憶は青い空そしてわたしは別れを告げに
31~40 5月
千人のわたしが死んだ漆黒の微かな眩暈わたしは大人
寒い日にごめんなさいよ詰め寄つて分かつた人に分かつたからだ
青い滝豆腐を浮かせ啜りあひあなたはたぶん死んでしまつた
赤剥けのあなたのもとに聞こえくる書き換へられた無限の重荷
光降り重く二重にひびかせるむしろわたしは光を憎む
生きてゐる理由のなさが黒々とそれともいつそ左と右に
性格のあやふやなれど牙剥いて言葉を憶えいきなり死んだ
石投げてつまづいたもの儀礼的きびしい規律鏡をふせる
楽聖の清めのことで回し蹴り転がつてゆく大佐夫人は
ゆかしけれ四十の日暮れ隠されて浮気らしきに勉強をやめ
41~50 6月
喫茶店で<わたし>についてふくらませ気晴らしをする生物の群れ
指導者が汚れた腕を稲株に雨が降る日はまだなかつたよ
明け方の停止信号輝いてつのる思ひは飛躍しやすい

面影に手を差し伸べるひるひなかドライなきみの埋葬人が 44
ゆるやかに木の実がはじけあらたまり罰せられずに流れていつた 45
掻きむしる痕をみむとて真夜中に満月を見き犀ではなくて 46
ふるさとの荒れ野で叫ぶ青肌が萌え出るやうで堪へてをりしが 47
おちあつてあらゆる謎を!ああ、あれは大気の歌だそれにしたがふ 48
金色の蒲団を敷けば背中からぢつと身にしむとても悲しい 49
かくれ蓑復活させて鳥になるしかしあなたは受験生だし 50
51~60 12月
かり出され行くこと決めた囲炉裏ばた滅びることを見届けてから 51
辛い時水兵服の世話になる罪を重ねたとほい航海 52
渋谷からけしかけことば転がしてあわれみながら朽ちてるんかい 53
スピードと刺激によつて武装したまつたく無知で沸騰を待つ 54
暗がりでそつとしてみて目が眩む、つむるときつと蛇が寝てゐる 55
すこしづつ現れてきた(前の晩)見たこともない空の味噌漉し 56
紐糸を付着させよう書いた詩は波のまにまに流れ去るから 57
さればこそ涙に濡れる矢合わせを尻目にかけて洗礼を受け 58
山門の堕落していく二枚貝この動乱の音を聞いても 59
プレゼント確かめたいとさうやつて漕ぎ出したころ雨の長浜 60
61~70 8月
根源の押しかけてくる企てを聞きつつ眠れ来迎までを 61
中軸は膝から折れる枢軸は恐怖がそこに足りなくなつた 62
久しぶり遠く離れて西海の淡い光にわたしの不義は 63
たづきにとかたぶく軒端直視した若い男女が受ける志願兵 64
やめたまへ酢の蒟蒻の書きながらつるりとむいて消し潰すこと 65
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愛撫され熱い息をし飛び出して白い光を覚えてゐない 66
唐帝はきれいでゐたいむらさきの月に向かつて鎖帷子 67
一本の巨大なナマコ背のうへに天から降つて世界を青く 68
川沿いのいつものカレー狂い咲く雷にさはがず風にゆれてる 69
遊芸を気が晴れるほど夢想してわたしの泳ぐ海のあをいろ 70
71~80 9月
砂浜にひとすじの線オレンジは鳥籠のなか癒されてゐる 71
むらしぐれ狭い石庭包みこむそこでその日は火をつけられて 72
だれもゐず雪ふりつもる冷蔵庫水兵なども黙つてをれば 73
秘儀のやう時の砂ゆく無精独楽むせばぬまでも軋みをたてた 74
イヤフォンのなかで溶けてる手首からシティーホールがたかく羽ばたく 75
死ぬことを目前にして水色の水兵服の桃色遊戯 76
暮れていく風の五月の部屋のすみ転がつてゐる黄いろいパンツ 77
細胞を身体検査で膨らませ船出するまで語りあひたり 78
畦道は悲しみに満ち落ちてゐたまるみを帯びたガラスの花瓶 79
汚されたあなたは聞けり笛がなり野辺の光とたはむれるのを 80
81~90 10月
秋晴れのなかの接吻総毛立ち自分の無知に明日を忘れる 81
光差す死の深淵の岩海苔が概念としてうごきはじめる 82
風邪声で聞いたからとてゆるさない熔岩のやうに権力を持つ 83
西洋の風呂を上がりし十八のはれやかならむ天に向かひて 84
閉じ込めたわたしの殺意 ふるさとの風光る午後甲羅干してる 85
雨のなか鏡の欠片飾らうとまぶたを閉ぢて思ひ浮かべる 86
韻律の奥に潜んで耳すまし鵟(のすり)のやうにチャンスうかがふ 87
顔を見て伸びあがるもの妻の背に訂正してもいつそ気楽だ 88
舐めつくす残されたもの嘘の色黒い喪服のわたしの母は 89
沈みゆく無垢な背中が見えたので炎の舌をふかく感じた 90
91~100 11月
わたつみを風に運ばれ来たものの雨戸はいつかかたく締められ 91
童うた男は歌ふ花の香がさしあたりての強さの秘訣 92
妻と子はあなたの耳を諦めるしばらく泣いてといふ条件で 93
回転し息ができない朝夕に捕へた鹿を担いで走る 94
椎の木の大樹のごとき銀色の夢から覚めたそれが三月 95
雨のあさ奇麗に拭いた死者の顔だれも知らない真理を語る 96
過越の祭に食べる子羊の語尾がとつてもやはらかいから 97
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by trentonrowley | 2012-06-30 19:09 | 題詠blog2012
2012年 06月 30日

097:尾 (新井蜜)

過越の祭に食べる子羊の語尾がとつてもやはらかいから
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by trentonrowley | 2012-06-30 19:06 | 題詠blog2012
2012年 06月 30日

096:拭 (新井蜜)

雨のあさ奇麗に拭いた死者の顔だれも知らない真理を語る
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by trentonrowley | 2012-06-30 19:05 | 題詠blog2012
2012年 06月 30日

095:樹 (新井蜜)

椎の木の大樹のごとき銀色の夢から覚めたそれが三月
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by trentonrowley | 2012-06-30 18:57 | 題詠blog2012
2012年 06月 30日

094:担 (新井蜜)

回転し息ができない朝夕に捕へた鹿を担いで走る
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by trentonrowley | 2012-06-30 18:54 | 題詠blog2012
2012年 06月 23日

093:条件 (新井蜜)

妻と子はあなたの耳を諦めるしばらく泣いてといふ条件で
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by trentonrowley | 2012-06-23 10:25 | 題詠blog2012
2012年 06月 21日

092:童 (新井蜜)

童うた男は歌ふ花の香がさしあたりての強さの秘訣
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by trentonrowley | 2012-06-21 22:43 | 題詠blog2012
2012年 06月 21日

091:締 (新井蜜)

わたつみを風に運ばれ来たものの雨戸はいつかかたく締められ
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by trentonrowley | 2012-06-21 22:36 | 題詠blog2012
2012年 06月 21日

090:舌 (新井蜜)

沈みゆく無垢な背中が見えたので炎の舌をふかく感じた
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by trentonrowley | 2012-06-21 22:34 | 題詠blog2012