暗黒星雲

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2017年 07月 22日

蛾の群れが炎のやうに羽ばたいて世界地図から飛び立つていく

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蛾の群れが炎のやうに羽ばたいて世界地図から飛び立つていく




(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-22 20:31 | Comments(0)
2017年 07月 21日

水飲み場に前足をかけ噴水の水飲む犬が俺の顔見る

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水飲み場に前足をかけ噴水の水飲む犬が俺の顔見る




(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-21 16:11 | Comments(0)
2017年 07月 20日

「塔」七月号 月集 十首選

剝がしたき思ひに見つむ垂直に幹をのぼれる繊きほそき蔓  花山多佳子

人住まぬ家の仏間に赤錆びの脇差はあり抜き身のままに  三井 修

菜の花とじゃこのパスタを食べながらあなたは語る気圧の変化  松村政直

手の甲をわれに抓ませ富士山と言わせてくれた祖母遠きかな  藤井マサミ

信じるもの匿さねば生きられぬ世キリシタン禁制の時代のみには非ず  黒住嘉輝

真昼間の日ざしの中を歩むとき先だつ杖に濃き影のあり  小石 薫

一歳の子らのなかから抱き上げる吾子を作物収穫のごと  澤村斉美

拗ねる子が私のようでもう面倒くさい奴(やっちゃ)なと抱き上げ帰る  永田 紅

しげ丸という犬友だちと会えなくてとぼとぼ帰るれんげを見つつ  なみの亜子

駅ナカのカフェの壁ぎは高椅子に座れば脛より街にさらさる  万造寺ようこ


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-20 16:14 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 19日

「塔」七月号 池本一郎選歌欄 十首選

紛失をしたと決めいしわが帽子いく日か過ぎ駅に受け取る  山崎一幸

白椿好きと告げたる母なりき鈍空にはなほつりほつりと  河原篤子

春雷は火崎の燈台浮き立たせ魚釣る船の右舷照らせり  郡山紀男

寝返りを何回打ちしか朝刊が届いてしまえりあぁもう三時  髙畑かづ子

労基署に同行せよといふ指令待ちて終はりぬ寒きさんぐわつ  田中律子

おいくつと訊けば白ばら幼稚園に行くのと答う間をおかず  永田聖子

一人居のほのかな明かりも消え失せて牛乳、新聞もう来ない家  西本照代

子は少しつまらなさうなり生きてゐてくれればよいと望みを言へば  広瀬明子

妊婦らしき先生もゐる公園に幼き児らの高き声する  青木朋子

待ち合はせの駅で娘は喪服着たうさぎの顔してやや頷きぬ  北神照美


(新井蜜)

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by trentonrowley | 2017-07-19 16:23 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 18日

「塔」七月号 花山多佳子選歌欄 十首選

ただならぬ視線のなかでごみを出す背後に三羽頭上に一羽  山西直子

滔々と話す子といる子に化けた狐だろうかと怪しみながら  北辻千展

ねこ道を通つて帰らう夕ぐれを保育所帰りの子の声がする  藤木直子

夕べ去る甥を探せば灯りなき仏間にひとり額づきをりぬ  大木恵理子

舞ひ終へてかたへのまるい茣蓙にゐる巫女のかほふたつ白く浮かべり  川田伸子

雨ののちたつたひとりの午後となりわれの輪郭もどりて来たり  澄田広枝

たつたいま羽化せし蝶かわたくしの花柄シャツに纏はりついて  野島光世

職場より直行したのか通夜の席ひだり手首に輪ゴムののぞく  邑岡多満恵

謹みて米あらひけむ冬日差す造酒司(みきのつかさ)の井戸のめぐりに  山口泰子

お別れにハンドクリームをわたされきをんなの多き職場であれば  西村玲美



(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-18 19:42 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 17日

「塔」七月号 若葉集 江戸雪選歌欄 十首選

「風光る」という季語を目の前で見た 君のポニーテールが揺れて  うにがわえりも

あの春の日はいつだったか黒髪に乗る花の色だけが鮮やか  赤木 瞳

少女らのスカートの腰細くして脛白きゆえ春は来にけり  石川泊子

少しだけ高揚してをりキャリーバッグひきつつすれ違ってゆく人々は  大江美典

抱きしめた膝と春風だけがある吐きたいくらいまぶしい真昼  頬 骨

炭酸が抜けてゆくようプツプツと君去りし日々やり過ごしおり  武田夏紀

AIが夢見ることを覚えたらどうすれば良いホルモン焼そば  舟橋隆之

ごみとしてすてられてゆくあるばむのしやしんにゆれるフウセンカズラ  岡部かずみ

とほくとほく夜更けのエレベーターが呼ぶ鼓膜のおくのまたおくで呼ぶ  高橋道子

少女らの歩きしのちのさざめきのごとく落ちたる花椿かな  魚谷真梨子


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-17 20:37 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 16日

「塔」七月号 前田康子選歌欄 十首選

たれ待つにあらねど春の風の夜門扉(もんぴ)のきしむ音聞きてをり  篠野 京

こぶし咲く峠の道に桃組となる楽しみを話す三歳  澤井潤子

ソ#(シャープ)が切なさ醸す秘訣だとEテレ番組に教えてもらう  姉崎雅子

咲いた順に散るとは限らず薄闇にひたひたひたとうかべる花弁  穂積みづほ

グランドのむこうの木立に鳥が群れいつかの嘘がまたよみがえる  三谷弘子

消えてゆく冬におじぎをするように自転車を漕ぐ少女の夜だ  吉岡昌俊

まちかねて春の田んぼのあぜに立ち銀のよもぎのひかるのを摘む  高原さやか

先を行く兄は薄氷破りゆくそれをまねつつ弟もゆく  加藤傳治

じゃがいもの種芋埋めしあくる日の雨やわらかくひねもす降りぬ  村上春枝

炊飯器へ一合ずつの米をいれ何合いれたかわすれてもどす  田村龍平


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-16 22:14 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 15日

「塔」七月号 山下洋選歌欄 十首選

スパイクのごとき爪錆びて軒にあり母の使いし<田の草車>  白井陽子

サバンナを駆ける一群のゾウのごと 人の流れが改札に向かう  山川仁帆

薔薇園で髪を束ねる薔薇の香を編み込むように髪を束ねる  ひじり純子

顔ゆがめ泣きはじめたるに赤鬼ちやんとひそかに名付けつぶやいてみる  丸山真理子

抓む位置が端過ぎた故そこだけが千切れてしまうトイレットペーパー  双板 葉

寄り道をして行く?と言う保育士に幼子ぞろぞろつながりて行く  山梨寿子

図書館に本を返して図書館に傘を忘れてきた雨上がり  垣野俊一郎

何年もしまわれたままの母の服を私が着ると父は喜ぶ  石橋泰奈

袋あけてあっと声出るトーハトのオールレーズン個包装となりぬ  谷口美生

失ったもののひとつに加えんと息子にあったあの蒙古斑  竹田伊波礼


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-15 22:13 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 14日

「塔」七月号 三井修選歌欄 十首選

嫁ぎ来しを余所者とばかり決めつけて黒犬ついになつかず  多田眞理子

ずっと手を握りてくれしこの人に祈りのための喉仏あり  鈴木四季

部屋の中体育座りをしてみても包みきれない悲しみ広がる  真田菜摘

千羽鶴折る子に願ひを尋ぬればそれは内緒と小さき手止まる  赤岩邦子

爪磨きするやうな男好きちやうとあの日牧子ちやんはたしか言ひたり  青馬ゆず

してないさ絶望なんかソイラテがあふれてもまだそそぐ蜂蜜  小川ちとせ

凍て土にわれが捨てたる蛞蝓が身を細めつつ這いはじめたり  川口秀晴

あれはたぶん夢なのだろうでも確か水仙のきつい香りがしていた  北山順子

見送りもない駅に立ち半年を暮らした町に小さく手を振る  小林千代

いつか水に沈んだ道を歩きゆくガールズトークなんてしながら  田宮智美


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-14 20:18 | 十首選 | Comments(0)
2017年 07月 14日

「塔」七月号 小林幸子選歌欄 十首選

この花からいいにおいがすると三人子に連れてゆかれるミモザの下へ  矢澤麻子

「ぎ」と言いてお前は母を抱くしぐさ寝かしつけんと胸に乗せるとき  吉岡みれい

園児らは手を上げ道を横断中くの字くの字の連なりゆけり  水越和恵

真夜中に帰り来る娘に久々にカレイ煮付け置くスカイツリー見つつ  上森静子

入園の母子連れ立ちスキップしつながれいし手ほどけてゆけり  及川綾子

娘は撮るわれら夫婦をケータイに客観的なアングルで撮る  太田愛葉

「わたくしは歯医者が好きです」まなこ閉ぢ暗示かけつつ椅子に仰向く  木原樹庵

やわらかな幼の視界のかたすみの異界人われ耳ふたつもち  篠原廣己

伽羅の香と供へし庭のフリージア混じりてあまき仏間となれり  越智ひとみ

猫しろくをりてほうほう過ぎゆける日月のなかの亡きひといもうと  千村久仁子


(新井蜜)
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by trentonrowley | 2017-07-14 10:56 | 十首選 | Comments(0)