暗黒星雲

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2017年 08月 20日

「塔」八月号 真中朋久選歌欄 十首選

南方より帰りし若き伯父の手はあたたかかりし下駄などはきて  渡辺のぞみ

軒下に蚊柱みしは遠き日の父母のいた夏の夕暮れ  数又みはる

銘仙の着物をほどき縫ひたるは母の為事と伊予の人言ふ  久次米俊子

家内も軒も白じろ灯しつつ影絵のやうにひとり越しゆく  清田順子

サイテーと言いし女の抑揚の春の夕べに思い出ずるも  関野裕之

いざ行かむ。口紅あかくぬり終へて鏡に向かひ笑顔をつくる  田口朝子

オオデマリコデマリゆるる晩春(はる)の夕ふたりであるくことは望まず  田中律子

コピーした紙のぬくもり受けとりぬ花冷え続く朝の廊下に  永田聖子

鮮やかなヒジャブを巻きてゆっくりと朱塗りの門をくぐる人あり  宮地しもん

階段を二段とばしで駆け下りるチヨコレイトで勝ったみたいに  芦田美香


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-20 11:53 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 19日

白百合と逃走、きみの首凝りの奥の方から聞こえるサンバ

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白百合と逃走、きみの首凝りの奥の方から聞こえるサンバ




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-19 22:55 | Comments(0)
2017年 08月 19日

草は実を落として庭をうめつくす小さな夏のそのにぎはひに

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草は実を落として庭をうめつくす小さな夏のそのにぎはひに




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-19 20:46 | Comments(0)
2017年 08月 19日

「塔」八月号 若葉集 永田淳選歌欄 十首選

「塔」八月号 若葉集 永田淳選歌欄 十首選

ふたひらの羽があるから蝶々は自由なのだと思い込んでた  八木佐織

射程距離6000キロのなかにゐてまだ初恋を知らぬ野良猫  宮本背水

「ミサイルからの避難方法」のわら半紙 保健だよりの隣に貼られ  井手明日佳

まちがえた記憶そのまま鳴っているピアノの譜面が頭の中で  希屋の浦

香ぐわしき四月の風に誘(いざな)われガン細胞に花を見せにゆく  里乃ゆめ

幽界の使ひのごとくほのあをき翅をひらげておほみづあを消ゆ  高橋道子

いくたびも予測外れて温める君のシチューは濃さを増しゆく  髙山葉月

いつ帰るんやって電話で言われてまだそっちに住んでいる我  山口 蓮

中指の変形せしを変形のままに包めりやわらかき水  佐々木美由喜

電線のカラスと吾の目が合ってひとりなのかと一声鳴かれ  真間梅子



(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-19 16:46 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 18日

暗闇をえらんで歩く目の眩む白い光に追ひかけられて

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暗闇をえらんで歩く目の眩む白い光に追ひかけられて




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-18 22:12 | Comments(0)
2017年 08月 18日

「塔」八月号 江戸雪選歌欄 十首選

「塔」八月号 江戸雪選歌欄 十首選

ふと力抜きたるように風はやみ雨のかたちのままに柳は  黒木浩子

遠くを見る目をして遠くを見てゐない少女の膝に赤いしたじき  川井典子

銀杏の芽犬と幼児とタンポポとツバメの巣を見て散歩を終える  さつきいつか

サークルの一つ一つを見てまわりナガミヒナゲシ抜きて帰れり  鈴木四季

卓上の口紅ひかりが満ちている わが唇を彩るために  沼波明美

のろのろといやゆっくりと歩くのだこの悔しさを忘れないため  増田美恵子

わたくしは静かに静かに爪を研ぐ権力者になど知られぬように  山梨寿子

朝風に連なりてゆく自転車の少年の声木津川わたる  加藤 紀

草花を育てる母に着せたきとかなりあ色のブラウスを選る  菊井直子

ミサイルの発射のニュース聞き終へて洗ひし毛布春空に干す  堺 礼子


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-18 22:05 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 18日

持つていくものなどはない 赤土は剥き出しとなり雨に流れる

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持つていくものなどはない 赤土は剥き出しとなり雨に流れる
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# by trentonrowley | 2017-08-18 06:03 | Comments(0)
2017年 08月 17日

「塔」八月号 前田康子選歌欄 十首選

月齢の浅き光にアネモネの色の数だけ影広がりぬ  永久保英敏

柔らかな雨は眠くてとっぷんとカップをひたす午後の厨に  中野敦子

水張り田にその身を映し立ちてゐるトキの双つの足元ひかれり  山本龍二

めぐすりがふたつの海の縁どりにあふれてゆふべ涙をながす  松原あけみ

もうすでに諦めかけている色だ カンパリソーダのような夕空  石橋泰奈

なつかしい君のくびれはわが腿にぴつたりと添ふあたらしきギター  木村珊瑚

勝負時あれば締めよと海色のネクタイ贈る風つよき日に  赤田文女

夏蜜柑艶めくまでに煮詰めつつ思ひ出か今かわからなくなる  俵田ミツル

墜落機発見されざる三日間の雨に雪柳降り敷きし庭  金田和子

春だけのあかるき香り苺から酵母おこして焼かれしパンは  谷口美生


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-17 22:24 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 16日

留まつてケーキを食べる海に出て狂つてしまふ一歩手前で

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留まつてケーキを食べる海に出て狂つてしまふ一歩手前で




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-16 22:57 | Comments(0)
2017年 08月 16日

「塔」八月号 山下洋選歌欄 十首選



汽車の着くころねと男傘たづさへ母は駅へと小走りに行く  竹内真実子

乳のみ子の帰りし部屋に初夏の風あまき匂いを消してゆきたり  宮内ちさと

悪党ほど善人面して馬鹿にするも姫さまだつて<馬鹿>ではないのだ  河村壽仁

指鉄砲で五月の緑を撃ちぬいて未必の故意を教えてあげた  佐藤涼子

あたしだけ鬼に見つけてもらえずにさくらが過ぎてみずき咲いてた  西村美智子

半島の真下にあるぞわが住まひ とりあへず買ふ白ヘルメット  長谷川愛子

待ち暮らすバスは過去よりあらはれぬ右目に傷ののこるはつなつ  東 勝臣

一人では来たことのない部屋だから呼び鈴そういや押したことない  田宮智美

紅旗は平氏なるかな アカシアの雨にあらねど雨のメーデー  中村英俊

生まれたらさびしさがもうついてくる両手震わせ赤ちゃんが泣く  矢澤麻子



(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-16 22:33 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 15日

おほいぬのふぐりの青い空の色あぜ道に咲くほほゑみのいろ

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おほいぬのふぐりの青い空の色あぜ道に咲くほほゑみのいろ





(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-15 22:51 | Comments(0)
2017年 08月 15日

「塔」八月号 三井修選歌欄 十首選

不自由はないかと君に電話する「ないよ」の返事いつもかわらぬ  松竹洋子

ぼんやりと桜を見ていただけなのに大丈夫かと手をにぎられる  西之原正明

墓の谷に続くをぐらき小径には野いちごの花さみどりに映ゆ  竹尾由美子

生け垣のレッドロビンが朱くなりランドセルのあを坂のぼりゆく  澤﨑光子

着歴を押して亡母に掛けてみる「デンパノトドカナイトコロニアリマス」  石川えりか

自由猫と名付けて三軒で飼ひならすトラ子は幸せを運びて巡る  仁科美保

リュック背に抱っこ紐にて子を抱(いだ)き大きなバッグで娘(こ)は帰りゆく  藤田 咲

ほんとうに渇いているのは喉(のみど)ではないと知りつつ水汲みにゆく  中田明子

きなくさきニュース流れてながれくる黄砂をけふの善きものとせむ  千村久仁子

運勢を占うごとくおごそかにその皮を剥く朝(あした)のバナナ  福西直美


(新井蜜)

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# by trentonrowley | 2017-08-15 22:29 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 14日

緑内障のこの目が未だ見えるうち五月の森に井戸を掘りたい

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緑内障のこの目が未だ見えるうち五月の森に井戸を掘りたい




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-14 23:20 | Comments(0)
2017年 08月 14日

「塔」八月号 池本一郎選歌欄 十首選

腑に落ちて心決まりぬ都バスから商店街を見てゐるときに  髙野 岬


渋滞に巻き込まれずに行き帰る記紀の世と今の犬上の地を  穂積みづほ


決心はたやすくゆるび見てゐるは水槽の金魚の鰭のひらひら  高橋ひろ子


もう会わぬ人なのだから好きなだけ嫌われたってさみしくないさ  海老茶ちよ子


四世代揃ひて囲む食卓に鯛も鰹も刺身になりて  水越和恵


「おはよう」の響ける園舎の一角にFAX累々着弾時の指示  荒木みのり


三分前の悲しい吾が三分後の悲しい吾にラーメン作る  太田愛葉


じわじわと炊飯器噴き、原子力発電所にも日は暮れゆかむ  千葉優作


まっすぐに工場の煙のぼりゆく春となりゆく空のうつり目  三上糸志


スカートを軽くつかみて一回転ひと去りしのちのバルコニーにて  水野直美



(新井蜜)


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# by trentonrowley | 2017-08-14 21:35 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 14日

マリアにはなれないきみは声を上ぐ懐胎の朝の歓喜夢みて

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マリアにはなれないきみは声を上ぐ懐胎の朝の歓喜夢みて




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-14 10:29 | Comments(0)
2017年 08月 13日

「塔」八月号 永田和宏選歌欄 十首選

本当と嘘のあいだの嘘よりの言葉を重ねてこの春も過ぐ  柴野 春


空っぽのお腹で眠る病室のカーテンの薄きピンクを眺む  黒沢 優


いちどだけ掬はれしみづ さまよへるあなたをうるほす河でよかつた  小田桐 夕


雨に濡れかがやくさくら見てをりき傘かたむけて二十歳の吾は  祐德美惠子


もし空が割れたら何処に行けばいい 輝く四月の濃き影のした  岩尾美加子


あなたもお一ついかがと白き手がマシュマロのやうな不安をつまむ  加茂直樹


泣いてばかりいても仕方ない春雲とわたがしならばどちらが軽い  北野中子


分類は私の仕事なのになぜ名前のつかない感情がある  中井スピカ


戦争がどこか遠くでおきている野ばらはきっと今年も咲くらん  久長幸次郎


鼻がかゆいと言えば君が掻いてくれる くすぐったくて可笑しい春だ 茂出木智子



(新井蜜)


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# by trentonrowley | 2017-08-13 23:58 | 十首選 | Comments(0)
2017年 08月 13日

生きるものの抱へる欠除みたすもの求めて歩く青空のもと

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生きるものの抱へる欠除みたすもの求めて歩く青空のもと




(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-13 22:17 | Comments(0)
2017年 08月 09日

33 しめやかに毛のはえかはるヨロコビにからだを燃やし身を沈めたり

33 しめやかに毛のはえかはるヨロコビにからだを燃やし身を沈めたり

(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-09 21:48 | Comments(0)
2017年 08月 08日

32 閉ぢられた闇のなかから放たれた風景画には額は要らない

32 閉ぢられた闇のなかから放たれた風景画には額は要らない


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-08 21:13 | Comments(0)
2017年 08月 07日

31 山科は愛媛のみかんあのときのものを思へば蛇いちごの実

31 山科は愛媛のみかんあのときのものを思へば蛇いちごの実

(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-07 22:07 | Comments(0)
2017年 08月 06日

30 栄光とキャットフードの色合ひのわれの想ひの容器もあつた

30 栄光とキャットフードの色合ひのわれの想ひの容器もあつた


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-06 22:25 | Comments(0)
2017年 08月 05日

29 食べながら捺印をするパトモスと呼ばれる島で時が迫つて

29 食べながら捺印をするパトモスと呼ばれる島で時が迫つて

(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-05 21:09 | Comments(0)
2017年 08月 04日

28 カナシミとヨロコビを知る夏の宵あなたはアルファわたしはオメガ

28 カナシミとヨロコビを知る夏の宵あなたはアルファわたしはオメガ


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-04 21:33 | Comments(0)
2017年 08月 03日

25 - 27 老ゆるまで避け続けたり少年は重いコンダラ軽い昏倒

25 老ゆるまで避け続けたり少年は重いコンダラ軽い昏倒

26 その苦難、支配、忍耐みをむすび夜としなれば底で泣く虫

27 胎教で朗読する人異質なるおほぞらつくりわかちたまへり


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-03 22:28 | Comments(0)
2017年 08月 02日

22-24 地に動くところのものを食べむとし涎が滴れる神の舌から

22 地に動くところのものを食べむとし涎が滴れる神の舌から

23 何年も草茫茫の地を照らす小さきひかり死者の中から

24 夢に見たあの風景に会ひたくて黄色と黒の翼が欲しい


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-02 21:49 | Comments(0)
2017年 08月 02日

19-21 真夜中に大き蛾のきて天井の蛍光灯にぶつかり飛べり

19 真夜中に大き蛾のきて天井の蛍光灯にぶつかり飛べり

20 熊蝉は鳴きつかれたか夕立の来さうな庭に勢ひのなし

21 銭湯におほぞらありて昼と夜地上の獣をわかちたまへり


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-08-02 10:24 | Comments(0)
2017年 08月 01日

16-18 沈黙に沈んで行かうぬくもりはふるさと発ちて地上もくらい

16-18 沈黙に沈んで行かうぬくもりはふるさと発ちて地上もくらい

灯台は潮に鞣され地を照らす光となるべきはじめの日なり

滑らせて倒れたものに触れさせむとかたちむなしくつくりたまへり


(新井蜜)

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# by trentonrowley | 2017-08-01 15:46 | Comments(0)
2017年 07月 31日

13-15 凝視して引き揚げられた石蹴りのつづく足あとみどりの夜は

13-15 凝視して引き揚げられた石蹴りのつづく足あとみどりの夜は

密閉しあはせた部分以前より繊細になる伸し掛かるとき

煮崩れる粘土人形体臭は悪夢にさへも後ろを押され



(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-07-31 16:06 | Comments(0)
2017年 07月 30日

10-12 泣き声が肩に触れたら海沿ひのホテルの庭で嘲笑ふのね

10-12 泣き声が肩に触れたら海沿ひのホテルの庭で嘲笑ふのね

推測がもし続けられ嘆くこと思ひ浮かべば漂流します

蒸し暑き東山からすずかけが危機に瀕して採取したもの



(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-07-30 17:20 | Comments(0)
2017年 07月 29日

7-9 硝子戸を突き破るとき溶けるときみんな孤独で遅すぎたのだ

硝子戸を突き破るとき溶けるときみんな孤独で遅すぎたのだ

屋根のないひろがる夜を鳴り渡るサン・セバスチャン聖堂の鐘

星空を仰向きてみる小止みなくサハラ砂漠に降つてゐる砂


(新井蜜)
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# by trentonrowley | 2017-07-29 22:17 | Comments(0)