2012年 01月 21日
化(ばけ)学の村上先生の弁当に毎日羊羹ひと切れありぬ (松塚みぎわ) 夫置きて病院出づる一瞬の何ならんこの解放感は (青井せつ子) 薄紅の芙蓉の花を送り来たり題名も本文も何も付けずに (梶原さい子) 今も岸を目指してをるかくらぐらと潮さかのぼる片身の魚は (梶原さい子) まはりながらせりあがり来る口紅の匂ひが胸の底に溜まりぬ (清水良郎) 亡き父の句集に貼りしポスト・イットわれのこだはり風は剥がしぬ (山下れいこ) ペンギンと豚は不仲のままと言う好きな温度が違いすぎると (常願路哲満) 思い切り握ってみると外科医師の手はゴム鞠のようでふわふわ (山崎一幸) 傘忘れたと君は電車を降りてゆく我の本音は言えないままに (柴田匡志) ややこしい女だねと二度言われ小春日の沼にかに歩きする (丸本ふみ) 刈り入れに立ち込む沼田にんまりと素足を包む泥の温もり (外輪清孝) 桜島を遠くに置きて颱風のかぜに乗りつつよぎりゆく烏 (徳重龍弥) 子のいない部屋に来てひとり走らせるトーマス長い坂道のぼれ (徳長しのぶ) これは怒りこれはかなしみと分けてゆく夕暮れオレンジを切りながら (大森静佳)
by trentonrowley
| 2012-01-21 17:44
| 塔
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