暗黒星雲

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2013年 03月 31日

2013年3月

春の日のセールスマンと幾たびかダイキリを飲む真冬の街で
片隅に逃げたところを見られてる波打ち際の張り子の虎に
軽くなり薄くなるわたしの財布眠れないのだ手足が冷えて
警報ははづれただらうこれがもしホタテの時期であつたとしても
あをいとり取り逃がしたる竹藪に猛り狂ひしビジネスガール
春風も吹かぬうちからよみがへるはるかなる夏の相模の海よ
雨の日の三角巾が風の日の三角筋をくるんであげた
白雲が地下鉄にのり勢ひで夕焼けたのだ地球のやうに
受けとつた豊かさのなか足を蹴る 事実が踊る後悔しても
やつてきたまな鶴崎で微笑んだ少女に出会ふ道をまよひて
恨むべしまばゆさのなかみちたりて美しさから回復せぬを
文字もたぬ水兵どもは夢をみたイエスを捕らへ向き合つてゐた
七回目のベルが鳴つても出ぬきみは置いて海へと行くのだ俺は
銃よ、断頭台を撃て!タマネギが転がつてくる坂を上つて
黄昏の脆さのなかを浮遊する誇らかなあゆ夕虹は消ぬ
熱もてる口にカステラ頬張れば硬口蓋に貼りつきにけり
若しきみに青い翼があつたならわたしは毎夜むかへ火を焚く
慣れようとしてゐるうちにいつからか空に浮いてた 海豚のやうに
日本の終はりのときに泥んこの道に卵が光つて割れた
よく喋るわたしを産んだ海亀は墓参に行つた風船もつて
客間にはいちじくの木がありながら正義をかざし枯れてしまつた
繋がつて歩いてゆけばちぎれ雲 空はつめたく撥ねつけるのだ
アルプスでこごえたきみが高ぶればあしびの花は真綿のやうだ
この土地で聖女の皮を括るのは蝮の腹の泡立つみどり
お互ひの汚れたものをよく見ると羊ではないいちじくの木だ
夜明けまへ諸般の事情を聞かされて雌阿寒岳もきれいに消えた
聖堂の滅びる音を聞いた朝ダブルのスーツを着てゆく農夫
中天のしわしわの顔、軸受けの赤銅いろは帰つてこない
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by trentonrowley | 2013-03-31 23:47 | Comments(0)
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