2017年 12月 19日
「塔」十二月号 三井修選歌欄 十首選 心臓に穴見つかりし友達が「どうりでいつもさびしい」と言う 逢坂みずき ひとしづく真白き乳の零れたり朝餉の皿に無花果割れば 西山千鶴子 バカンスに旅立ったきり帰らない肉屋のおじいさんとおばあさん 鈴木晴香 むつごとに満たぬなにかを交わす夜 ねむりも恋も落ちるものだわ 海老茶ちよ子 たいおんが私にはある 脱ぎをへてシャツを木製の肩にかへしぬ 小田桐 夕 ハイヒールのモデルの様(さま)に戛(かつ)々とカラスが早朝屋根歩きをり 金田和子 還りたい みずが流れてかぜが湧くりんごつばきの実の落ちる岸 山尾春美 わだかまり抱えたるまま何足も靴を洗えり夏の終わりに 杉原諒美 電卓はなんだか怪しとそろばんをそそと弾いて釣銭くれる 竹内真実子 夏の陽に焼き忘れたる足裏を晒して寝ころぶ常夏の浜に 白波瀬弘子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2017-12-19 19:37
| 十首選
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