2018年 01月 17日
「塔」一月号若葉集 江戸雪選歌欄 十首選 暗やみでポップコーンを湿らせる舌先熱き金曜の夜 うにがわえりも 日ごと夜ごと容易に不穏になる胸の森に一羽の飛ばぬ小鳥を 中森 舞 「そっか」の「か」と「ですよね」の「ね」が隠すもの すり切り一杯分の悲しみ 荒井貴彦 遠足の弁当は無事持たせたが「行ってらっしゃい」言ってなかった 伊地知樹里 屋台には赤・黄・橙(だいだい)並んでて「夏が終わるね」と少女が言った 大島綸子 名人が歩を打つように横にあるティッシュをつまみ一滴をふく 中西寒天 一本の大根とねぎ新聞に花束のごとく包みてだきぬ 坂東茂子 眼差しに呼ばれたような気がしてさプールサイドに枯れた紫陽花 深山 静 歯科医院のナース弁当を手に下げて秋の風吹く信号を渡る 森川たみ子 かなしみの皮膜に包まれ片頬をつねってみても赤くなるだけ 椛沢知世 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2018-01-17 09:58
| 十首選
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