2006年 02月 05日
「新聞と恋」(続報)の続きです。 <穂村弘「シンジケート」>を読んでみました。 「シンジケート」の中の歌の多くはこの前に読んだ「ラインマーカーズ」にも収載されていますが、全部ではないようです。 探し物はみつかりませんでしたが、次の歌が印象に残りました。 ◎モーニングコールの中に臆病のひとことありき洗礼の朝 ◎抱き寄せる腕に背きて月光の中に丸まる水銀のごと ◎パレットの穴から出てる親指に触りたいのと風の岸辺で ◎試合開始のコール忘れて審判は風の匂いにめをとじたまま ◎終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて <奥村晃作歌集「空と自動車」> ここにはないだろうと思いましたが、やはり探し物はなかった。 次の歌が印象に残りました。 ◎公園の砂場に鞄を置きしのちワイシャツの男が体操始む ◎この世には生くるにかたき魂かひとりふはふはただよはむとす ◎洗濯もの幾さを干して掃除してごみ捨てて来て怒りたり妻が ◎蝉の場合地中の虫の時間まで彼の一生に加算すべきだ ◎海に来てわれは驚くなぜかくも大量の水ここにあるのかと ◎ハクレンは天向きて咲く花なれば見上ぐるわれは花の裏を見る ◎「目的が<通話>以外の人たちはこのボックスに入るべからず」
by trentonrowley
| 2006-02-05 04:45
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