暗黒星雲

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2018年 03月 27日

「塔」三月号 花山多佳子選歌欄 十首選

「塔」三月号 花山多佳子選歌欄 十首選


鳶職の聞き覚えある若き声ひびきくるなり歩きておれば  山崎一幸


手紙とは違う紙片も入れた気がしてきてポストを振り返り見る  相原かろ


膝頭ふたつ浮かべて熱き湯に忘れそうなる死者を思えり  黒沢 梓


デスクマットに挟んだ写真つらい時書類をそっと持ち上げて見る  荒井直子


夜の壁に匍(は)う虫なぜか祖かとも「殺して」という妻に迷えり  歌川 功


「あつ、寺さん」喪中はがきを持ちしまま玄関に夫は突つ立つてゐる  山地あい子


ひとり子を育てる娘を見送りてかへり見すれば月は満ちをり  中林祥江


零余子ごはん夫に供えてしばらくを食べ終るころか下げて頂く  林 芳子


赤と青のリボンが数多太ももから生えてくる夢浅き眠りの  吉田淳美


こんなにも冷えた耳もつわたくしに息ふきかけて抱きよせるひと  田中律子



(新井蜜)


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by trentonrowley | 2018-03-27 16:52 | 十首選 | Comments(0)
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