暗黒星雲

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2018年 04月 18日

「塔」四月号 江戸雪選歌欄 十首選

「塔」四月号 江戸雪選歌欄 十首選


西国のをみなは柑橘煮るだらうわがストーブに林檎が煮ゆる  加藤和子


海鳴りの聞こえる夜は母子して囲炉裏囲みて歌うたいたり  梅下芙美惠


「寒空のこの一服がうまいのよ」男は言えり肩尖らせて  垣野俊一郎


<頭髪(かみ)抜き>は反則技ぞ 医務官もわれも知らざりき頭髪(かみ)もどす術(すべ)を  河村壽仁


三角洲の沖よりとどろく波の音枕辺に聞くひとりの夜更け  木戸洋子


軒下に干し柿は渋の抜けぬままあなたは去りぬ霜月の朝  古栗絹江


ことごとく吾は渋い派一月は干し芋なんぞ作りて暮らす  西村清子


水量の増えし木曽川月影に映し出されて漆黒に見ゆ  松尾桂子


ゆっくりと絶望をする 珈琲とデッドストックコートの匂い  山岸類子


ひとりですか。いえ違ひます。ふたりです。夜の雨戸はカタカタと鳴る  和田 澄



(新井蜜)


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by trentonrowley | 2018-04-18 22:52 | 十首選 | Comments(0)
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