暗黒星雲

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2018年 04月 26日

「塔」四月号 永田和宏選歌欄 十首選

「塔」四月号 永田和宏選歌欄 十首選


息を吸えばもう眠るらし母の夢にわたしの知らぬ一頭の馬  金田光世


雪の下の草食む馬を見やりつつ柵に錆びたる折れ釘を抜く  清水良郎


なつかしい人との夢をさめて聴く冬ちかき朝の鋭き風の音  野島光世


うつつには見たことがなく夢にだけいる人のいて時に死にたり  相原かろ


手触れれば父の額の冷たさよ死をはじめて見し十六の冬  大塚洋子


雨あがりのにおいが好きだ 深く深く目を瞑りいるあなたは森だ  数又みはる


でもやっぱり呆けていない振りをして陽のさす冬至に雪かきをする  近藤桂子


髪少し生えてきたとのメールありそれより明るき気配がうれし  西川照代


電波傍受もあるかもしれぬ仕事場へガラケーにてかける急ぎの伝言  福井まゆみ


シャワーヘッドの穴を抜けゆくとき水はこそばゆくなる ほんの一瞬  一宮奈生




(新井蜜)


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by trentonrowley | 2018-04-26 20:29 | 十首選 | Comments(0)
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