2018年 10月 30日
「塔」十月号 栗木京子選歌欄 十首選 柴犬のおしりは消失点として揺れながら遠ざかってく畦道 加瀬はる 人がみな傾ぎて見える黄昏に浜木綿の花誘う(いざな)うなかれ 石橋泰奈 しづかなる音して睡蓮ひらくときあまたの言の葉剥がれてゆけり 福田恭子 水張田を見降ろす墓所に佇みぬ百年先の景を見たくて 赤田文女 ベビーカーの若き母子を越してゆく自転車の子らがベルを鳴らして 天野惟光 なめらかにライトの列は弧を描き琵琶湖大橋うみをまたげり 杉本文夫 洗脳といふ名の電車かも知れず鈍行にする 海がまぶしい 吉田達郎 あなたとの履歴をたどるiPhoneにひろがる羽根のかたちの指紋 椛沢知世 日常はふいに途切れてサイレンの鳴りやまぬ夜に雨を受けをり 浅野美紗子 ナフタリンを母の寝所の隅に置く百足、せん妄寄せ付けぬため 河野純子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2018-10-30 22:08
| 十首選
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