2019年 01月 20日
「塔」一月号 栗木京子選歌欄 十首選 鮮やかに生者の側にゐることを木犀の香が教へてくれた 澄田広枝 彦根山詣でのいはれ知りてより天守閣を見上げる長く 穂積みづほ 日照り雨野原の草の根もとまでひかりに包み移りてゆけり 石井夢津子 冬っぽい匂いがするぜ十月の朝をゆっくり起きて来た子は 宇梶晶子 貝ぼたんシャツより落ちて海鳴りのする窓辺へと転がりゆけり 小圷光風 瀬音高き谷遡る夢の中幼き父母が川遊びする 坂根美知子 橋をわたりきつてもひとりとほくからちひさく花一匁がきこゆ 西村玲美 モクセイの香りほのかに孕(はら)みたる洗濯物を胸に取りこむ 畑 久美子 老いてひとり夕餉に向かひ秋刀魚食ふ 一匹の骨確かに残る 矢野正二郎 空はもっと澄んでいたろうその昔高田馬場に馬場ありし頃 山西直子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2019-01-20 22:00
| 十首選
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