2019年 06月 29日
「塔」六月号 小林幸子選歌欄 十首選 二週間下がらぬ熱の傍にいて夫のかかとの皹に触れたり 澤端節子 夢にみる息子は常に不機嫌なり黄色い象のながぐつ履いて 永田聖子 「三月のひかりは違ふな」君の声 朝の大根おろしてをれば 北神照美 返信は無用のこととして起てば鉄瓶は白き湯気立ててゐし 髙野 岬 男雛女雛箱より出さずうらうらと過ごしたること娘らには告げず 加藤和子 詠草を封筒に入れ糊付けをする時うかぶみづほちやんの笑顔 工藤博子 塀に沿い直角に曲がりキジトラが猫溜りある空き地へ向かう 三浦こうこ ストーブの上の薬缶が鳴り出せば居間華やぐとふ独りの伯父は 山下太吉 つぎはぎの着物の裾の白い足袋きゅっと音たて伯母は曲がりし 中本久美子 束縛のなきこともまた不安なり電飾解かれし駅の一樹は 嶋寺洋子 (新井蜜)
by trentonrowley
| 2019-06-29 20:26
| 十首選
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