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暗黒星雲

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2007年 12月 31日

2007年12月

目が覚めた時から今日はモードB食事の支度なんかしないよ
けんかしていなかったっけ?「お帰り」の後の瞬時のモード選択
置いといて書いたらそこに今日ですかわたしはきょうは行けないのです
鳥肌をショートコートが隠してる揺れれば寒い冬の青空
ドトールの硝子を隔て下を向きゆっくりと行く猫背の老人
地下街を歩く背中の斜め掛けバッグに揺れる赤いお守り
暮れ始めまだ止まぬ雨ドトールの外を傘さす人の群れ行く
ドトールの外に小雨が降り始め濡れても走るグリコ青年
ドトールの窓から覗く下着屋の前でケータイ見つめる少女
ドトールで新聞を読む きのうより老眼鏡の数が増えてる
ドトールのいつもの味のコーヒーを穂村弘を読みながら飲む
大野浦の港に近く立ち並ぶ牡蠣打ち小屋で樽牡蠣を買う
待ちかねしふるさとの葱運び来ぬ氷雨の中を赤い郵便車
東京へ出張の度の楽しみは「砂場」で食べる力きし麺
湯上がりの肌の湿気に触れたくて炬燵の中で手を差し伸べる
湯の街の神にも母がいるという 母よわたしは神になれない
紅き燈のアムステルダム風呂のない窓辺に立って身体誇示する
五右衛門の煮られしといふ鉄の風呂我が姫のためミルク満たさん
湯の街に住む母いかにいませりと問われしたびに答ふあたはず
真夜中に風呂にひたれば凍てつきし路面に固き靴音聞ゆ
みどり色の擬似温泉につかりつつ秋津島根の弥栄祈る
打ち寄せる波に向かって立ち上がる露天の風呂に降る雪の中
塩辛い涙の風呂に身を沈め私のいない世界を思う
お前ではないと告げられ湯気の中俺かも知れぬと思うかわたれ
ゆっくりと冷めていく風呂出られずに冷え切るまでの時間を計る
潮騒を風が渋谷に運び来てホテルの窓の外は荒海
団塊とくくるなよ君戦争を知らない子供達の一人さ
意味の取れぬ少女の会話 背中から悪寒広がる朝の車中の

by trentonrowley | 2007-12-31 23:59


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