2008年 07月 31日
どっちみち逢えへんかってええんちゃう?そらそうやけどまだ好きなんやし 海亀の鎧ふ甲羅の実に厚く貫き敢へぬ我が想ひかな 目覚めれば妻と子の声ひっそりと庭に聞こえる梅雨寒の昼 梅雨寒の父の日に子ら集い来てピアノに遊ぶ「槌音高く」 抜けぬ風邪か花粉のせいか黄砂かも ただ春のせいなのかも知れぬ 不機嫌な今日のあなたは難波から電車に乗って帰ってしまった 指先が吸い寄せられて流れ込むこの熱きもの何か知らねど 階段を急ぎ降りゆく目の前にポニーテールの揺れる毛の先 おおふけえおおふけえなど言いながら泥田を廻る抜けられなくて 新緑の広場にすわり弁当を少女は大きく口あけ食べる 還暦の祝の席で見せられた6.5ミリの命のかたち 一斉に走る車の風圧で路面を滑り行くポリ袋 眠れない 春の夜空を漂って画面にたどり着いた四文字 いやいやと首ふるように焼きそばの花鰹ゆれひとりで食べる まだなの?と起きてこないで 秒針の音が重なり門扉がきしむ 六月の今日も地軸は傾いてニッポンの夏、豪州の冬 今日からは冬に向かって行く日々が連なっている長い黄昏 おみやげは渡す機会がないままにひと月が過ぎ融けてしまった 背の高いあなたのことが誇らしく昼の舗道を並んで歩く たけのこと新たまねぎの天ぷらを食う息子には母親がいる ふるさとの鎮守の森に流れくる遠き笛の音ゆめで待ってる 排水に湯気が立ってるたそがれの路地に微かなシャボンの香り この俺を兄と思えよ還暦の年に生まれる小さきものよ 農協で買ったたけのこ茹であげて食べ方を問うきみは我が妻
by trentonrowley
| 2008-07-31 18:00
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